レバノン南部・装填済みミサイル100基以上空爆:ヒズボラ反撃でイスラエル兵2人死亡後 2024.9.20

Smoke and fire rise from the site of an Israeli strike on the southern Lebanese border village of Mahmoudiyeh on September 19, 2024. (Rabih Daher/AFP)

2日続いたレバノンの連絡機器爆発その後:反撃でイスラエル兵2人死亡

17、18日と、レバノンとシリアのヒズボラメンバーが所持していたポケベルとトランシーバーが爆発し、これまでの死者総数37人、負傷者は3000人を超え、レバノンの医療機関は今も混乱が続いている。

19午後、日ヒズボラがイスラエル北部へミサイルとドローンを発射し、国境に近いメトゥラでは、多くの家屋に着弾し、甚大な被害が出た。

ドローンにより、イスラエル兵2人が負傷したが、その後死亡と発表された。死亡したのは、ナエル・フワルシー少佐(43)、トメル・ケレン軍曹(20)この他9人が負傷していたこともわかった。

戦闘機でレバノン南部のロケット発射基地100箇所以上空爆

イスラエル軍は、19日午後から夜にかけて、5-6時間野間、レバノン南部全域で、戦闘機でこれまでで最大となる数十回の空爆を実施した。

これにより、ヒズボラのインフラや武器庫、装填済みのロケット発射100基以上を破壊した。これに伴い、ミサイル約1000発が破壊されたとみられる。

しかし、ヒズボラは、イスラエルに向けて15万発を準備済みといわれているので、まだ一部ということになる。

今の所、レバノン市民が死傷したといったニュースは入っていない。

イスラエル軍は今回、かなりの低空飛行でレバノンに入り、一般市民の家の窓が揺れるなどして、心理的な効果もあった。

先の通信機器の爆発から、ヒズボラへの心理作戦の一面もあるとフランス24は伝えている。

イスラエル軍は、今後のヒズボラの反撃に備え、イスラエル北部地域住民に、指示があるまで、不要に移動せず、大きな集会を避け、シェルターに近いところにいるようにと指示した。

またヒズボラの侵入を懸念してか、キブツなど居住地の入り口の警備を強化することも指示した。

目標は北部住民が安心して帰宅できること:ガラント防衛相

ガラント防衛相は、20日朝、声明を出し、「避難民を国境に戻らせるためだ。今、新しい段階に入った。今は、チャンスの時だが、リスクもある。

ヒズボラは、危機感を感じているが、今後も軍事活動は続くと言っている。我々の目標は、北部住民が安心して帰宅できるようにすることだ。時間が経つごとにヒズボラはより多くのツケを払うことになるだろう。

南部では、人質を奪回し、テロ組織ハマスの無力化に向けた戦いを続ける。」と宣言した。

イスラエル軍は、今、空軍による破壊を行っている。次に起こりうることとしては、ガザと同様、レバノン南部に地上軍が入って、その周辺にいるヒズボラを追放することである。

テロリストが、イスラエルへ侵入してくる脅威を排除して、緩衝地帯を制定し、北部住民が帰宅できるようにすることである。

www.timesofisrael.com/idf-hits-more-than-100-loaded-hezbollah-launchers-in-series-of-major-lebanon-strikes/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。