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レバノン(ヒズボラ)との停戦崩壊危機
南部のガザのみならず、イスラエルは北部のレバノンとも、60日間の停戦に合意し、今年1月26日に期限を迎えた。しかし、目標であったヒズボラは、リタニ川以北まで撤退を完了するという条件は満たされていなかったことから、イスラエルも南レバノンから撤退せず、期限を2月18日まで延期すると発表した。
しかし、レバノン南部では、その後もまだヒズボラ関連施設、シリアからの密輸トンネルなどが発見され続けており、イスラエルの攻撃も続いている。
بالصور.. سلسلة غارات استهدفت وادي عزّة – دير الزهراني pic.twitter.com/ABANVjRS7T
— هنا لبنان (@thisislebnews) February 9, 2025
こうした中、2月13日(木)には、イスラエルの戦闘機が、南レバノンへの空爆を実施。イスラエルは、自国に直接的な危機になりうる、イラン協力でのヒズボラ施設があったため攻撃したと発表した。
イスラエルはアメリカに対し、撤退期限後も、南レバノンの5カ所にイスラエル軍の駐留を継続するとアメリカに申告している。
イランがレバノン経由でヒズボラに現金供与:ヒズボラ勢力健在か
また、2月13日(木)のニュースによると、イスラエルがここ数週間、イランがスーツケースに現金を詰め込み、民間機を使って、ベイルートのハリリ国際空港から、ヒズボラに現金を送っているとの情報を明らかにした。
すでに何回かは成功しているとみられ、イランが、ヒズボラの再建を開始しているとみられる。
これを受けて、レバノンは、イランからの飛行機が、ハリリ空港に着陸することを阻止した。するとイランは、反撃で、レバノンからのフライトがイランに着陸することを停止すると発表。
これにより、巡礼でイランを訪問していた、数十人のレバノン人が、イランで立ち往生となった。その後、立ち往生の人たちがどうなったのかは、不明である。
イラン外務省は、「シオニスト(イスラエル)政権が、通常のフライトを混乱させている」と非難する声明を出した。
レバノンの空港近くでは、親ヒズボラ勢力が、道路を閉鎖し、タイヤを燃やすなどのデモを行った。
また、UNIFIL(国連レバノン暫定駐留軍(2006年の第二次レバノン戦争以来、イスラエルとレバノンの停戦を監視する組織)の車3台が、空港へ向かう途中で、この親ヒズボラ暴徒に襲われて、少なくとも1台が炎上。副司令官が負傷した。
כלי רכב של יוניפי"ל הוצת בידי תומכי חיזבאללה ליד שדה התעופה בביירות@OmerShahar123 @kaisos1987 pic.twitter.com/ayO8KGYDsd
— כאן חדשות (@kann_news) February 14, 2025
こうした中、イスラエルとアメリカが協力して、数ヶ月以内に、イランの核兵器関連施設を攻撃する方向で議論と準備が進められているという情報が、時々出るようになっている。
新しいレバノン政府の苦悩
レバノンでは、このように、不安定な状況が続いているが、そのレバノンでは、ジョセフ・アウン新大統領の元、2月8日、ヒズボラ抜きの政権が正式に立ち上がったところである。
2月14日(金)、国民の支持も厚かったラフィク・ハリリ元首相が、2005年に暗殺されてから20年を記念する日を迎えた。
これに合わせ、ラフィク・ハリリ首相暗殺の後、首相としての働きを後継していたが、ヒズボラ勢力に追われて、国外に出ていた息子のサイード・ハリリ氏が帰国した。
レバノンが、混乱の中、新しい歩みを始めている。