レバノンでは、ヒズボラが、レバノンからシリアへ1000人以上の戦闘員を派遣し、アサド政権を支援していることについて、反発が高まっている。
レバノンでは、かつてシリア軍が駐留し、事実上、シリアに支配されていた時期があった。しかし2005年、当時レバノンのハリリ首相が、暗殺されたことをきっかけに、シリア軍を追放した経過がある。犯人がシリアだという疑いから起こった「杉の革命」と呼ばれる政変だ。
この時からレバノン政権は親シリア派から反シリア派に移行している。従ってレバノンは、国としてはシリアを支持している立場ではなく、だいたい隣国の紛争には介入したくないと考えている。
シリアの化学兵器をめぐっては、シリア政権が最終的に化学兵器をレバノンのヒズボラに持ち込んだ場合、レバノンに危険が及ぶことになる。
イスラエルは先週、地中海上でドローン(無人軍用機)を撃墜したが、ドローンがレバノンから来たもので、イラン製で、発信させたのはヒズボラだと言っている。
イスラエルは自衛のためなら、攻撃を躊躇しないので、今後のヒズボラの出方によっては、レバノンが再び戦場になる可能性もある。こうした状況を受けて、レバノン人たちが、ヒズボラのせいで国が危険にさらされているとして反発を強めているのである。
先週、スンニ派イスラムの指導者が、レバノン人青年たちに、シリアへ言って反政府軍に加わり、ヒズボラに対するジハード(聖戦)に加わるよう呼びかけた。
すると数百人が応じて登録したという。その数はまだ増えると予想されている。