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ガザでは、停戦から1ヶ月をすぎたたが、人質全員解放の約束がまだ完了していない。しかし、CMCC(国際軍民調整センター)では、第二段階への準備を始めている。
まずは、ガザの中に駐留するISF(国際安定化軍)の準備だが、さすがにこれほど複雑で危険な地域に、喜んで自国兵士を派遣する国は少ないようで、まだ配備にむけた具体的な発表はない。
しかし、ぐずぐずしている間に、イスラエル軍が撤退した地域では、すでにハマスが本格的な支配を回復させている地域があるとのこと。
こうした中、アメリカとイスラエルはが、第二段階への準備を進めている。ガザ南部ラファ地域に、ハマスが入り込まない、安全なガザ市民が住む安全地域を設立することである。
こうした中、南部ラファでは、以下のようなことになっている。
ラファ地下トンネルで足止めのハマス
10月の停戦合意から1ヶ月以上になるが、ガザ南部ラファでは、停戦になった時から、イエローラインのイスラエル軍側の地下トンネルで、ハマス約200人が、足止めになっている。これらを一掃しなければならない。
イスラエル軍は、先週、仲介国を通じて、ハマス幹部に、ラファの地下トンネルにいる者たちが、投降し、イスラエルの刑務所に入ることに同意するなら、その後で、ガザのハマス側へ釈放する道を提供すると申し出た。ただし、釈放の条件は、テロ活動への復帰を放棄し、武装解除に同意することとなっていた。
これに応じる形ではないが、さすがに、停戦から1ヶ月をすぎ、食糧もなくなってきたとみえ、戦闘員たちが、地上に出てくるようになっている。
投降する者もいるが、多くはイスラエル軍を攻撃して、逆に射殺される者もいる。イスラエル当局者は、「ハマスには、生存の機会を提供したが、結局、“殉教”の道を選んだようだ」と語っている。
ラファにアメリカ主導のガザ避難民代替安全地帯「グリーンラファ」設立へ
ラファでは、アメリカが、イエローラインから東側でイスラエル軍が駐留している地域に、ハマスが関与できない形の、ガザ市民代替安全地帯の設立を計画している。そこには、2万5000人を収容する予定で、「グリーンラファ」と呼ばれ、来週にも着工が始まるとみられている。
www.jpost.com/middle-east/article-876340
この施設には、診療所や教育施設も設置される予定である。将来的には、今イスラエル軍が駐留する地域(ガザの53%)に、6つの安全地帯を設立する計画が提案されているとのこと。しかし、ガザ市民は200万人いることを考えれば、まだまだ一部にすぎないといえる。
また、アラブ系外交官は、多くのガザ市民は、ハマスの支配下で生活したくないと考えてはいるものの、ガザでこの2年の間に、これだけの破壊と、7万人近くの死亡の原因となった攻撃をしたイスラエル軍の支配下に入ろうとする人が果たしているだろうかと疑問を呈している。
しかし、ガザでは、先週と今週にも大雨でテントを失った避難民も出ているので、この地域に入るしかない人もいるのではないかと期待する。
www.timesofisrael.com/everything-is-soaked-rain-floods-gaza-tents-amid-efforts-to-ramp-up-aid/
