28日、トランプ大統領が、世紀の取引を発表し、イスラエルがヨルダン渓谷と西岸地区のユダヤ人入植地の合併を認めたことを受けて、ネタニヤフ首相は、さっそく合併案を2月1日(日)の閣議で発表。3日(火)に、閣議で承認を得て、はやくも実施に入ろうと計画していた。
実際、ベネット防衛相は、合併実施のチームをたちあげ、総選挙までに合併を終わらせると言っていたのであった。
しかし、アメリカの中東担当大統領補佐官のジェレッド・クシュナー氏は、合併の実施時期について、計画には時間がかかるものだとして、3月2日の総選挙以前の実施をアメリカは支持しないとの考えを明らかにした。
www.timesofisrael.com/kushner-us-wont-support-west-bank-annexation-decision-before-march-2-election/
今の政府が暫定政権にすぎず、次の総選挙で、ネタニヤフ首相か、ガンツ氏が首相になるかまだ不明であることを受けて、世紀の取引の発表に、両者を招いたトランプ政権の意向が、正式な首相が決まったからというものであったことは理解に苦しくない。
これを受けて、ネタニヤフ首相は、2日日曜の閣議を延期とした。閣議が次、いつ執り行われるかはまだ発表されていない。
Times of Israelによると、イスラエルは、これらの地域の合併作業を3段階で行う計画だったが、アメリカは、一回で終わらせることを望んでいるという。延期は、技術的な問題だけだと関係者は話している。
しかし、合併については、パレスチナ側からの激しい反発が避けられそうもなく、一方で、パレスチナ国家の構想を含むため、右派からは反発、テルアビブ住民ら中道左派たちは、合意泣き合併に反発するデモを計画している。合併がそう簡単に実施できるものではない。
さらに大きな問題は、いくらアメリカが支持したとはいえ、それらの地域の合併が合法的かどうかは、マンデルビット司法長官の同意を得なければならない。しかし、これについては、司法長官はおそらく支持するとはみられている。
ネタニヤフ首相の起訴も、ネタニヤフ首相の目標であるヨルダン渓谷や西岸地区入植地の合併も、マンデルビッド司法長官が、その決定権を握っているということのようである。