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60号線上銃撃テロ:イスラエル人少年(12)死亡
12月11日(水)夜、西岸地区入植地グッシュ・エチオンから、60号線上を、エルサレムに向かっていたバスが、アル・カデル交差点で、走り去る車からの23発もの銃撃を受けた。
バスは、負傷者を乗せたまま検問所に向かい、そこで警察や救急の処置を受けた。
"כולם להוריד את הראש": תיעוד הרגעים לאחר פיגוע הירי @ItayBlumental t.co/Dr7DMPorOw pic.twitter.com/HPSvWSzfN6
— כאן חדשות (@kann_news) December 11, 2024
このテロ時件で、イェホシュア・アーロン・トゥビア・シムハさん(12)が死亡。
男性(20代)が重傷。女性(40代)が中等度で負傷した。別の2人も、銃撃で割れたガラスで負傷している。
テロリストは走り去ったままつかまっていない。イスラエルの治安部隊(IDF、国境警備隊、警察、シンベト共同捜査)は、付近の道路を封鎖したほか、パレスチナ人居住地のフサンとベツレヘムを封鎖して、捜査を行っていた。
その後のニュースによると、12日(木)早朝、犯人のエズ・アルディン・マルアが、自首してきて、逮捕された。
マルアは、当初、パレスチナ自治政府に自首して、武器をとりあげられたが、逮捕はされていなかった。その後、イスラエルの治安部隊に自首してきたもようである。
www.ynetnews.com/article/byk1ifdnjx#autoplay
西岸地区では、先月11月29日(金)にも、入植地アリエルで、民間バスが銃撃テロを受けていた。このテロで、8人が負傷し、このうち、パレスチナ人バス運転手を含む3人は重傷だった。
テロリストは、射殺されたが、ハマス戦闘員で、アル・カッサム旅団メンバーだった。
www.timesofisrael.com/hamas-terrorist-opens-fire-on-civilian-bus-in-west-bank-8-wounded-3-seriously/
西岸地区では2023年10月7日以降、こうしたテロ事件が増加しており、これまでに死亡したイスラエル人は、治安部隊隊員を含め人47人となっている。
一方、イスラエル軍との衝突で死亡したパレスチナ人は、800人。5250人が逮捕されたが、このうち2050人はハマス関係者だった。
西岸地区で続いているテロ:強硬右派ユダヤ人の暴力も
ヒズボラやシリア問題で忙しくなっている背後で、西岸地区ではパレスチナ人によるテロ、また強硬右派ユダヤ人たちによる暴力も相次いでいた。最近のケースは以下の通りである。
1)西岸地区で続くテロ事件とイスラエル軍との衝突
ナブルスの近くにあるヨセフの墓とされるユダヤ教正統派には聖地とされる場所がある。12月10日(火)、イスラエル人超正統派ユダヤ教徒の3人が、IDFとのアレンジなしに車で訪問しようとして、銃撃を受けた。3人は軽傷だった。
その1週間前の12月3日(火)には、西岸地区北部、ヨルダン渓谷のパレスチナ人居住地で、イスラエルのドローンによる攻撃で、ハマス戦闘員3人が死亡した。イスラエルは3人が、イスラエル国内でテロを計画していたと言っている。
その3日前の12月7日(土)には、西岸地区南部のアル・ファウワル難民キャンプ近くで、イスラエル兵たちが立っているところに車が突っ込み、イスラエル兵1人が重傷となった。イスラエル軍はヘブロンを封鎖して、捜査を行ったが、テロリストは自首して出てきたとのこと。
同じ日、カランディア検問所では、IS(イスラム国)のマークをつけたパレスチナ人がナイフをもって、イスラエルの治安部隊になぐりこみ、逆に射殺された。
2)過激右派ユダヤ人の暴力・イスラエル軍との対立も
一方で、過激右派ユダヤ人の暴力もエスカレートしている。西岸地区では、11月4日、ラマラに近い、パレスチナ人居住地、エルビレに入植者が入って、車19台に放火して大損害を与えた。
תיעוד ממצלמות אבטחה של הצתת המכוניות באל-בירה, השבוע
צילום: בצלם pic.twitter.com/8a6IR4jECk— הארץ חדשות (@haaretznewsvid) December 6, 2024
続いて11月16日には、ナブルス近郊のパレスチナ人村ベイト・フリークに、仮面をつけたユダヤ人入植者たち数十人がなだれ込み、家屋や車両に放火していった。
この時、パレスチナ人たちは投石して反撃し、両者の紛争になった。イスラエルの治安部隊がこれを鎮圧し、死傷者は出なかった。入植者たちは、過激で知られるイタマルから来ていた。
この6日後の11月22日、ユダヤ人過激入植者たちは、ヘブロンで彼らを取り締まろうとするイスラエル軍に投石するに及んだ。これにより5人が逮捕された。
ところが、この日、カッツ国防相は、裁判前に緊急に身柄を拘束できるとする行政拘束政策を、ユダヤ人には適応しない方針を発表した。今後、ユダヤ人の場合は、現場で取り押さえられも、身柄は拘束できない、すぐに釈放されるということになる。
過激右派ユダヤ人入植者を取り締まる唯一の方針がなくなったと、バイデン大統領はこれを批判していた。
石のひとりごと
いろいろ情報を加えてしまったが、西岸地区では、パレスチナ人とイスラエル人との間に、まさに憎しみの連鎖の混乱になっている。その巻き添えで12歳の少年が死亡してしまった。なんとも不条理なことである。
また、12月はクリスマスで、ベツレヘムは、毎日たいへんな賑わいになるところだが、今現在、テロ事件の影響で、イスラエル軍が包囲しているという。
私たち人間の愚かさというか・・・全ての創造主、天の父なる神様は、これをどうみておられるのだろうかと思う。。