北アフリカのモロッコは、総人口約3700万人のイスラム教国だが、ユダヤ人コミュニティが存在している。そのほとんどは首都カサブランカに存在しており、人数は、現地ユダヤ人コミュニティによると、2500人という。
そのモロッコでの新型コロナは、これまでに確認された感染者が8508人。死者は211人となっている。このうち、ユダヤ人コミュニティからの死者は、6月6日の記事で、13人。全国の死者の6%で、小さいコミュニティの割に死亡率は高くでている。
これはユダヤ人コミュニティの人々の高齢化が進んでいることも原因であると考えられている。
コミュニティのラビは、葬儀を続けさまにしたり、親が入院してしまった子供たちを預かったり、親を亡くした人々を慰めるなどの毎日を送っているという。
ニューヨーク市立大学のユダヤ学ロイ・ミッテルマン教授によると、中世に発生したスペインでの異端審問の時に、多くのユダヤ人が、モロッコに逃れた。1948年のイスラエル建国時に、モロッコにいたユダヤ人は27万人。その後、多くがイスラエルへ移住した。
しかし、残ったユダヤ人たちは、周囲のイスラム教徒たちとうまく共存するようになり、カサブランカには、シナゴーグが15箇所ある。イスラエル人の友人夫妻は、昨年治安を気にせず、また、ユダヤ人のための食物規定も気にすることなく、モロッコへの旅行に行っていた。
世界に散在するユダヤ人コミュニティの人々を覚えて、また彼らもイスラエルへ帰還できるようにと思う。