20日正午頃、ベエルシェバの銀行バンク・ハポアリムで銃の乱射事件があり、4人が死亡した。犯行はベエルシェバ在住のユダヤ人で、イタマル・アロン(40)。
今朝、アロンがこの銀行のATMから出金しようとすると、ATMがカードを没収してしまった。負債額が上限の6000シェケル(約18万円)となっていたためである。このため銀行に掛け合ったがカードを返してもらえなかった。
この数時間後、銃を持って銀行に戻ったアロンが、銃を乱射。客2人を殺害、5人(1人は重傷)を負傷させた後、銀行のマネージャーと副マネージャーを殺害、女性職員1人を人質に銀行に立てこもった。
銀行周囲は封鎖され、多数の警察や特殊部隊で騒然となった。警察が説得をこころみたが、結局アロンは自殺。人質は自力で脱出して無事保護された。
アロンは元国境警備員で、皮肉にも11年前に銃を乱射するパレスチナ人を取り押さえて賞をもらったことがあった。しかし、人間関係でいつも失敗し、除隊後は無職。両親の家で悶々として暮らしていたようである。
犠牲者のうち、アブネル・コーヘンさん(44)は、3人の子供(6,13,18才)の父。アナット・エバン・ハイムさんも11才と4才の双子の母だった。イダン・シュナイテル・サバリさんは独身の22才。
こうした事件は、イスラエルではおそらく史上初。イスラエルでは、ユダヤ人どうしで殺しあうということはほとんど考えも及ばないというのが常であるため、この事件は全国に大きなショックとなっている。
イスラエルでは借金で苦しんでいる人が非常に多い。これから増税に向かえば、貧困者はますます増える。またイスラエルでは、犯罪の傾向がしばらくは続く傾向にあるため、ネタニヤフ首相は再発を防止することが大事だと語った。