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イスラエルがベイルートでヒズボラNo2暗殺
11月23日(日)、イスラエル軍が、レバノンの首都、ベイルート南部の建物(9階建の3、4階部分)にミサイル3発を発射。その部分と付近の建物、階下の車両などが破壊された。
これにより、ヒズボラの軍事部隊No2のヘイサム・アリ・タバタバイ(56)と戦闘員4人が死亡した。
夕刻になり、ヒズボラが、タバタバイの死亡を確認する声明を出した。この他、レバノン保健省からは、28人が負傷したとの報告が出ている。
2024年11月にイスラエルとレバノン(ヒズボラ)が停戦して以降も、ヒズボラは合意に違反して、南レバノンに再結成する動きを止めていない。
合意によれば、レバノン軍が、南レバノンのヒズボラを武装解除することになっていたが、時間の経過とともに、ほぼ何もできていないことが明らかになっている。
このため、イスラエル軍も、合意違反ではあるが、自ら南レバノンへのヒズボラ地点への攻撃を行い、ヒズボラ戦闘員や、司令官の殺害も行っていた。
しかし、ここ数週間の間、イスラエルの攻撃がエスカレートしており、先月だけでヒズボラ戦闘員20人を殺害。先週だけで合計13人を殺害していた。
www.timesofisrael.com/idf-carries-out-wave-of-airstrikes-on-hezbollah-sites-across-lebanon/
しかし、イスラエルが、レバノンの首都ベイルートへの大規模な攻撃を実施するのは、停戦以来、最大の攻撃となる。
これについて、ネタニヤフ首相とカッツ国防相は、これまで現地で指揮する比較的下級の司令官たちを暗殺してきたが、それだけでは、ヒズボラの動きを止められないことがわかったとして、今回、ヒズビラ軍事部No2(故ナスララ元ヒズボラ党首の後継者ナイム・カセムの次)の暗殺に踏み切ったと語っている。
*タバタバイ:賞金500万ドルの指名手配テロリスト

タバタバイは、1980年代からヒズボラに入隊し、エリートのラドワン部隊司令官やシリアにおける、ヒズボラ部隊の総司令官、その後も作戦部門総責任を務めた。
イスラエルは2015年に暗殺を試み、2016年からは、アメリカの指名手配対象となり、情報提供者には、500万ドルの賞金がかけられていた。
それでも生き延びていたタバタバイは、イスラエルと停戦になった2024年11月以降、ヒズボラの軍参謀総長となり、組織の再建を主導していたとみられている。タバタバイの死は、ヒズボラには大きな打撃になったと予想される。
ネタニヤフ首相は、タバタバイ殺害の後、「ヒズボラの再建に対する軍参謀総長の勧告を受け、攻撃に踏み切った。イスラエルはヒズボラが軍事力を回復することを看過することはできない。今後は、レバノン政府が、ヒズボラの武装解除をするという約束を果たすことを期待している」との声明を出した。
今後どうなる?
ヒズボラは、イスラエルが新たな一線を超えたと非難。レバノンのアウン大統領は、イスラエルのレバノン侵攻を国際社会は阻止するべきだと訴えた。
今の所、ヒズボラが大規模な反撃をする様子はないが、かつてヒズボラはイスラエルに向けたミサイル15万発の発射準備を整えていた。
これまでの攻撃でかなり減らしたが、まだ数万発は残っていると推測されている。それらがハイファや、テルアビブなどに発射される可能性は否定できないとのこと。
www.jpost.com/middle-east/article-874901
タバタバイの暗殺について、アメリカには、事前報告はなかったが、アメリカ当局者は、この暗殺を賞賛していると、Times of Israelは伝えている。
