ベイルート市内攻撃でPFLP(パレスチナ解放人民戦線)3人・ハマス幹部1人死亡 2024.10.1

People gather outside an apartment building hit by an Israeli air strike in Beirut’s Kola district, September 30, 2024. (Fadel ITANI / AFP)

レバノン国内で続くイスラエルの攻撃:“抵抗の枢軸”も標的

27日(金)、イスラエル軍が行ったベイルート郊外ダヒエのヒズボラ本部への攻撃で、ヒズボラの最高指導者ナスララ党首が死亡。イスラエル軍は、その後も、ベイルートとベッカー高原を含むレバノン全国数十カ所で、ヒズボラの拠点や武器、幹部暗殺を続けている。

29日には、ベイルートのダヒエに、イスラエル軍の攻撃でできた大きなクレーターの穴から、ナスララ党首の遺体が保護された。

遺体に外傷はなく、爆発の圧力で体の内部が崩壊して死亡していたとのこと。

またこの日、ナスララ党首と共に死亡した、5人の側近や幹部たちの名前が発表された。この5人を含め、20人以上のヒズボラ最高幹部レベルが、27日の攻撃で死亡したと発表されている。

また、この中に、イラン革命防衛隊の幹部1人の死亡も確認され、イラン外相は、報復は必ずあると公言した。

(Photo: AFP)

その翌日30日(月)深夜過ぎ、イスラエル軍は、ベイルート市内のスンニ派地域(ヒズボラはシーア派)のコラ地区の地上アパートへの攻撃に踏み切った。

この攻撃では、PFLP(パレスチナ解放人民戦線)の幹部3人が死亡したと、PFLPが発表した。

市内への攻撃は初めてで、世界は攻撃のエスカレートだと懸念を深めている。

その後、レバノン南部パレスチナ難民キャンプへの攻撃もあった。ハマスが、レバノンにおけるハマス指導者、ファテ・シェリフ・アブ・エル・アミンが死亡したと発表した。

アミンは、UNRWA関係者でもあり、レバノン南部のパレスチナ難民キャンプで4万人の教育を統括する幹部だった。イスラエルは、UNRWAが、子供や学生たちに、イスラエルを憎む過激な教育をしていると非難していた。

30日(月)だけで、イスラエル軍はレバノン国内120カ所を攻撃し、105人が死亡。359人が負傷したと伝えられている。戦闘員と民間人の比率は明らかでない。

www.timesofisrael.com/pflp-says-3-fighters-killed-in-first-israeli-airstrike-in-central-beirut-since-oct-7/

今日10月1日、イスラエルは再びベイルートやベッカー高原への攻撃を行っているとのこと。

ヒズボラからイスラエルへの攻撃

ヒズボラは、主に、ガリラヤ地方やハイファ方面へのロケット弾攻撃を発射している。テルアビブなど人口密集地行きへはまだ発射した例はない。ガリラヤ湖に1発着弾したが、イスラエル側に死傷者の報告は出ていない。

以下は最も攻撃が多いキリアット・シモナ(住民の90%は避難して不在)の様子。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。