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イスラエルのヒズボラ攻撃:ヒズボラの報道長官死亡
イスラエル軍は、レバノン南部国境周辺、北部やシリアとの国境、首都ベイルート南部など、ヒズボラ関連地点、武器庫などへの攻撃と破壊を続けている。
レバノン保健省によると、11月16日(土)だけで、29人が死亡(戦闘員と民間人の区別なし)。17日(日)には、数週間ぶりに、地域住民に警告後、ベイルート市内への攻撃を2回実施した。
ベイルート市内への2回目の攻撃では、シリアのバース党のオフィスがある建物が標的となり、ヒズボラの報道長官モハンマド・アフィフが死亡した。アフィフは、イスラエルへの攻撃に深い関わりがあったとみられている。
レバノン保健省によると、この攻撃で、少なくとも6人が死亡した。またこの日遅くには、南部タイヤへの攻撃もあり、11人が死亡。48人が負傷した。レバノン保健省による報告によれば、この週末の死者数は、総数で46人であった。(死者数に戦闘員と市民の区別はなし)
国連によるとして、NYTが伝えたところによると、昨年10月8日以来、避難を余儀なくされているレバノン市民は、全人口の4分の1にあたる100万人。レバノンにシリア難民の中には、国境を超えてシリアへ戻った人も多い。死者は3480人以上となった。
なお、そのうちわけだが、イスラエルは、これまでに死亡したヒズボラ関係者は3000人。約100人はその他のテロ組織関係者、数百人は市民との見方を表明している。
www.nytimes.com/2024/11/17/world/europe/beirut-lebanon-israel-hezbollah.html
イスラエル兵2人死亡:ハイファのシナゴーグへロケット弾着弾
一方、ヒズボラのイスラエルへの攻撃も続いている。レバノン南部で拡大して行われている戦闘の中、11月13日(水)に、イスラエル兵6人が死亡したが、続いて、11月14日(水)、イヴリ・ディックステイン中尉(21)が、死亡した。
www.jpost.com/breaking-news/article-829156
続いて15日(金)、戦闘中に、オーリー・ニサノヴィッチ軍曹(21)が死亡した。ヒズボラとの戦闘での戦死者は44人目となった。
また、16日(土)には、ハイファへロケット弾が10発発射され、市内のシナゴーグ近くに着弾。
建物が損傷した。また、サイレンが鳴って、シェルターに走っていた5人が負傷した。
タムラでは牧場にロケット団が着弾し、家畜が数頭死亡した。またナハリヤでは、ドローンが飛来して、アパートが損傷を受けた。負傷者はなし。
כבאים סורקים בניין בשכונה צפונית של העיר נהריה לשלילת לכודים / נפגעים כתוצאה מפגיעת כלי טייס בלתי מאוייש בקומתו השנייה של הבניין.
במקביל פועלים לכיבוי שריפה בשטח פתוח במרחב אכזיב. pic.twitter.com/tPY4taxgn4— יואב איתיאל מדווח כי (@yoavetiel) November 16, 2024
イランはヒズボラを見捨てた?レバノンで進む?停戦交渉
ヒズボラの党首ハッサン・ナスララが死亡し、その後継者たちも殺害された。今、主なコンタクト先だったとみられるアフィフも死亡した。アフィフは死亡する前、ヒズボラは長期戦闘の準備があると言っていたとのことである。
しかし、イランは、イスラエルへの反撃をすると言いながら、幸いだが、今のところ、何もしていない。Times of Israelによると、10月26日にテヘランを攻撃したイスラエル軍は、パルチンにあるイランの地下秘密核兵器開発工場への攻撃を実施していたと報じられた。
もし本当であれば、イスラエルが、イランの極秘情報を入手していたことを突きつけただけでなく、核兵器開発にも大きな遅延が発生したと推測されている。
こうなると、イランとしても、次回イスラエルへの攻撃は考えざるを得ないだろう。特に今、トランプ政権が復帰して、イランへの制裁もありうる事態になっていることも、それに輪をかけているかもしれない。
となると、イランは、イスラエルへの反撃はおろか、ヒズボラを支援することもしなくなり、ヒズボラは、産みの親であるイランに見捨てられた形になっているとも考えられる。
こうした中、レバノンでは、アメリカを仲介者として、イスラエルとヒズボラの停戦交渉が進められている。アメリカとイスラエルは、2006年の国連決議1701(ヒズボラはリタニ川以北まで撤退)の遵守を目標に、とりあえず、60日の停戦を提示している。その間に、ヒズボラがリタニ川以北にまで完全に撤退すれば、続いて永続的な停戦にむけた交渉に入るというビジョンである。
これについて、ヒズボラは、検討しているとは言っているが、はたしてリタニ川以北までの撤退を遵守するかどうかは、不透明である。
前回2006年、そのように約束していながら、イスラエルとの国境すぐそばに、大規模な攻撃拠点を気づいていたのであった。イスラエルがヒズボラの撤退に期待せず、その施設をとりあえず、破壊し尽くそうしているのは、もはやヒズボラの約束など信頼できないからといえる。
イスラエルは、今、出されている停戦案に、もしヒズボラがいないはずのところにいることが発見された場合、軍事攻撃が認められるとの文言を入れるよう、アメリカに要請していたとのこと
edition.cnn.com/2024/11/15/middleeast/hezbollah-ceasefire-israel-lebanon-us-intl/index.html