イスラエルではこの週末、全国的に強風を伴う雷雨となった。日本の感覚から言うと、たいした雨でもないのだが、相変わらずハイファやテルアビブの一部では道路が冠水していた。
北部ヘルモン山では、積雪となり、週末は、初雪で遊びたい家族連れが殺到した。ガリラヤ湖では、水位が5センチ上昇したとのこと。日曜からは晴れ上がり、全国で非常に気持ちのよい日々を迎えている。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4887643,00.html
<ヘルモン山・ゴラン高原・北部情勢>
週末にイスラエル人家族たちが雪を楽しんだヘルモン山だが、頂上が3つある。レバノン山脈にもつらなっている。そのため、山の中をイスラエル、シリア、レバノン3国の国境が通る。
イスラエルが六日戦争以降、領有するのは南部でその頂上は標高2224mの地点。それよりも高い2814mの頂上はシリアがおさえている。ヘルモン山から、ダマスカスまでは、直線距離なら50キロ程度。車で1時間半ほどで、すでに激戦地である。
またヘルモン山は、シリアとの国境線があるゴラン高原に隣接している。ゴラン高原南部では、先週日曜、シリア側から、明らかにイスラエル軍に向けた発砲があった。
攻撃してきたのは、ISIS傘下の組織に所属する4人で、これまでのような流れ弾ではなく、敵意を持った攻撃であった。イスラエル空軍がただちに4人を殺害した。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4884827,00.html
この翌日、イスラエル軍は、ゴラン高原南部で、かつては国連が使用し、今は無人になっている建物で、ISIS関係グループが使用していた場所を爆撃した。
ヒズボラもシリア政府軍も、ISISも、何者であってもイスラエルに手を出すことは絶対に許さないということ、また、イスラエルはたとえシリア領内であっても、どの組織が何をしているかという情報は、確実に把握しているという強力なメッセージである。
www.jpost.com/Breaking-News/Israeli-Air-Force-strikes-ISIS-target-in-Syria-473858
さらにその後の水曜、ダマスカス郊外のシリア政府軍武器庫と、シリアからレバノンへ向かう輸送隊が空爆された。イスラエル軍が、ヒズボラへ移送されようとした武器を事前に処分したものとみられる。
攻撃については、シリア軍関係者はじめ、様々なアラブ系メディアが伝えているが、イスラエルはいつものようにノーコメント。
今回、ロシアの後押しを受けているシリア政府軍をイスラエルを攻撃したため、ロシアがイスラエルに対してどう出てくるかが注目されていた。
イスラエルは一応、シリア領内で、こうした防衛的空爆を行うことがある旨、ロシアからの了解を得ているが、実際にロシアは約束を守るのかどうか・・・今回はそのテストだとも言われた。
幸い、攻撃から5日経過後の今にいたるまで、ロシアは反応していない。つまり黙認ととれる。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4886912,00.html
こうした緊張した状況下にありながら、ヘルモン山で、家族連れが、平気で楽しく雪遊びができるというのも、さすがイスラエルと言えるだろう。いかにイスラエルの諜報機関と治安部隊がすぐれているか、また国民も軍に絶対の信頼を置いているということがわかる。
<最新鋭F35ステルス戦闘機配備で中東最強の空軍へ>
イスラエルは、最新鋭ステルス戦闘機F35機をアメリカから17機、購入することを決めた。最終的には50機にする予定。F35は、ステルス機能(敵に察知されずに近づく)が高いだけでなく、垂直離着陸が可能の戦闘機である。
www.youtube.com/watch?v=4OYs3VBGfac(垂直離発着するF35)
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4885192,00.html
日本の航空自衛隊は、イスラエルに先立ち、アメリカがF35を実戦配備可能と発表したばかりの8月中に、すでに購入を決定。最終的には42機を調達する予定となっている。今年中にも4機が到着するみこみ。自衛隊の戦力は、実は世界でもトップクラスの一つなのである。