フランスの大統領選挙が行われ、無所属・中道派マフロン氏と、極右の国民戦線党のルペン氏が上位2位となり、5月7日の決選投票に臨むこととなった。
ルペン氏は、その後、国民戦線党の党首を一時降りると発表した。右派でけでなく、フランス市民すべてを代表するとのジェスチャーである。しかし、ルペン氏自身が移民排斥とEU離脱を支持する極右であることに変わりはない。
フランスでは、すでに反ユダヤ主義事件が増加しているが、国粋主義者のルペン氏が大統領になると、その傾向はさらに悪化する可能性が高い。
ルペン氏は、大統領になった際には、公共の場でユダヤ人がキッパをつける事を禁じることや、フランス在住のユダヤ人は、イスラエルとの二重国籍を認めない、つまり、イスラエル人であることを放棄しなければならない、などの方針を語っているという。
また、ルペン氏は、ホロコーストに関して、フランスに責任はないと主張する。しかし、フランスは、ナチにユダヤ人を引き渡しているので、責任はないとは決して言えないはずである。
イスラエルのリブリン大統領は、ホロコースト記念式典のスピーチにおいて、公にルペン氏を非難した。
www.timesofisrael.com/blasting-le-pen-rivlin-calls-for-war-on-new-kind-of-holocaust-denial/
現在のヨーロッパは、ヒトラーが登場した30年代に似てきたと言われる。ホロコーストの初期、一部のユダヤ人はヨーロッパから脱出した。しかし、多くのユダヤ人たちは、だんだん迫害が悪化する中でも、まさか事態がそこまで悪化するとは思わず、「この嵐はもうすぐすぎる。」と考えて脱出しなかった。それで虐殺されてしまったのである。
ロシアのチーフラビは、「万が一、ルペン氏が大統領になったら、フランスのユダヤ人はすぐに脱出すべきだ。」と警告した。
www.jpost.com/Diaspora/Russian-chief-rabbi-Frances-Jews-should-leave-if-Le-Pen-wins-election-488687