フランス・ニースのテロ:ISISが関与を表明 2016.7.16

16日、フランスのニースで、84人以上の犠牲者を出したテロは、テロを起こしたモハンマド・ラフエジブフエル容疑者(31)が現場で射殺された他、モハンマドの元妻を含む5人が逮捕され、詳しい捜査が続けられている。

この事件関して16日、ISISが、自らのメディアで、関与を表明した。ただし、組織的な関与ではなく、ISIS思想に感化された個別分子によるテロとみられている。

ISISはシリア・イラクで押され気味で、世界各国にいるISIS分子に対して、テロを決行するよう、よびかけている。今回も「”十字軍国家”(欧米)がねらわれるだろう」と言っていた。

テロはまだ続くと懸念されている。

<フランスのテロを預言!?ネタニヤフ首相>

2014年、ネタニヤフ首相は、当時ガザとの戦いでイスラエルが国際的な批判を受ける中、フランスのメディアのインタビューに答えて、「イスラエルは民主主義国家だ。イスラエルととともに立たないということは、民主主義を否定することになり、テロはフランスに来るだろう。」と語っていた。

www.jerusalemonline.com/news/world-news/the-israeli-connection/netanyahu-in-2014-terror-on-its-way-to-france-22365

インタビューの映像 http://www.powerlineblog.com/archives/2016/07/netanyahu-in-2014-terror-will-come-to-france.php

ネタニヤフ首相は、1997年に「テロリズムとはこう戦え」という著書を執筆しているが、後におこるテロをみごとに記述している。兄をエンテベ作戦で失ったネタニヤフ首相は、やはり、テロに関する深い認識があるのかもしれない。

*エンテベ作戦 https://ja.wikipedia.org/wiki/エンテベ空港奇襲作戦

1976年6月27日、エールフランス機がパレスチナ過激派によって、離陸後ハイジャックされた。乗客248人が人質になったが、最終的には、ユダヤ系かイスラエル国籍の乗客106人が残されて、アフリカ・ウガンダのエンテベ空港に着陸した。

ウガンダはイスラエルからは相当遠いのだが、イスラエル軍は、はるか、ウガンダまで飛び、エンテベ空港にて急襲作戦を行い、人質を救出した。この時4人の人質と、ネタニヤフ首相の兄ヨナタンさんが死亡したが、他は無事救出された。

今年は、エンテベ作戦から40年にあたり、先月記念式典が行われたところである。

<石のひとりごと>

今回、ニースでの事件では、大きなトラックが、約2キロにわたって人々をひき殺して行くというおよそ想像もつかない大惨事だと世界は報じていた。

しかし、車で人々に突っ込んで来るというテロの手法は、すでにイスラエルでは、頻繁となっていた。これを止めるには、運転手を早期に射殺するしかないということもイスラエルは経験済みだ。

イスラエルで起こる事は、やがて世界でもっと規模を大きくして発生するという傾向はやはり存在するのではないかと改めて、考えさせられている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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