ヒズボラ攻撃応酬3日間・一応の小休止状態:イスラエルは全面戦争になると警告 2024.6.18

ヒズボラとの攻撃の応酬:IDFはドローンでヒズボラ幹部暗殺

エスカレートしていたヒズボラとの攻撃の応酬。11日夜、ヒズボラからロケット弾など215発。2日目も100発、3日目の13日にも35発がイスラエルに向けて発射され、広範囲の山火事が発生し、イスラエルは消火に追われた。当然、イスラエルもレバノン領内ヒズボラ拠点への反撃を行った。

一連の攻撃の中で、イスラエル軍は、レバノン南部にいたヒズボラのロケット部隊幹部ムハンマド・アユーヴを暗殺していた。アユーヴの上にあたる指揮官タレヴ・アブドラも先週の攻撃で死亡しており、いわば、イスラエルへのロケット弾攻撃の主導者が死亡したということである。

以下は、アユーブをドローンが攻撃した時の様子。

しかし、13日以来、今は一応の休止状態となっている。イスラム教徒たちは、13日からハッジの例祭期間に入っており、16日日没からは、エイード・アル・アドハと呼ばれる例祭日である。このための休止である可能性もあり、今後どうなるか、注目されている。

ハガリ報道官が全面戦争を警告

イスラエル軍のハガリ報道官は、16日、ヒズボラが、10月7日以来、イスラエルに向けて発射したロケット弾は5000発に及ぶと発表。今また、大量のロケット弾を打ち込んで、状況悪化をエスカレートさせていることについて、レバノンだけでなく、広範囲の全面戦争に拡大する可能性があると警告を発した。

ハガリ報道官は、10月7日のようなことが北部では絶対に起こらないようにするため、本気で言っていると述べ、国境周辺からイスラエルを攻撃しているヒズボラに対し、リタニ川以北にまで後退するよう求めた。

www.timesofisrael.com/idf-warns-hezbollah-bringing-israel-to-the-brink-of-a-wider-escalation/

鎮静化に向けた国際社会の試み・アメリカからホフスタイン特使来訪

Amos Ben-Gershom (GPO)

ヒズボラとイスラエルの激しい攻撃の応酬が、エスカレートする中、フランスとアメリカ、イスラエルも加わって沈静化させるこころみが始まったとの報道があった。

しかし、その後、ギャラント防衛相が、フランスの反イスラエル的な方針を挙げて、イスラエルはフランスとはチームにならないと発表。

またその直後に「そう言ったのはヒズボラとの戦闘をエスカレートさせないためだった。」と言うなど、水面化で何かが動いているかもしれないが、詳細は、明らかにはなっていない。

16日には、バイデン政権下で、北部情勢を担当するアモス・ホフスタイン特使が、18日、エルサレムで、ヘルツェル大統領、ネタニヤフ首相、、ギャラント防衛相、ハネグヴィ国家安全保障顧問、ラピード野党党首代表と会談した。ホフスタイン氏は、ヒズボラが小休止している間に、停戦合意への足がかりを作ろうとしていたとのこと。

ホフスタイン氏は、ガザにおける停戦についても、イスラエル官僚たちと議論したもようである。

www.timesofisrael.com/idf-kills-hezbollah-rocket-specialist-amid-lull-in-terror-groups-fire-at-israel/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。