ヒズボラの砲撃がキリアット・シモナに着弾・山火事も 2024.5.11

戦闘はガザだけではない。北部ヒズボラとの戦闘もエスカレートしており、イスラエルでは、ヒズボラが本格的な戦闘を開始する可能性を指摘する専門家もいる。このため、イスラエル軍は、今年のメロン山でのラグ・バ・オメルのイベントを中止したところである。

ヒズボラは、イスラエル北部に向けて大量のロケット弾を撃ち込んでくるようになっている。5日には、100発近くがキリアット・シモナ周辺に打ち込まれ、2人が負傷していた。これに対し、イスラエルは、9日、ヒズボラ拠点など、南レバノンの10の街への大規模な空爆を実施した。民間人4人が死亡したとレバノン系メディアが報じていた。

すると、10日午後、安息日入りの時間に、ヒズボラが、再びキリアット・シモナへ、カチューシャロケット弾35発を発射。アイアンドームが15発迎撃したが、その他は市内に着弾した。道路にクレーターができ、建物や車両が被害を受けた。この攻撃で、火が近くの山にも燃え移って、まだ消し止められていない。

イスラエルは攻撃元への反撃を行った。なお、ここに挙げているのは、一部で、北部国境をめぐっては、複雑な暴力の応酬が繰り返されている。

www.mako.co.il/news-israel/2024_q2/Article-938c56c42046f81027.htm?sCh=31750a2610f26110&pId=173113802

www.jpost.com/israel-news/article-800742

www.ynetnews.com/article/sjyvcxnza#autoplay

北部国境からは約7万人が、避難を余儀なくされており、ホテル住まいなどで限界になりつつある。住民たちは、なかなか帰宅させてもらえないと政府に不満をもっており、近々デモを行うと言っている。

しかし、この状態では、帰れそうもないように思うが、ガザでの戦争が終われば、北部も終わるというのが、単純な見方であるので(そうはならないというのが政府の見方)、今後、北部住民と政府の間にも溝になっていく可能性がある

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。