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2日目も続くヒズボラの攻撃
北部情勢のエスカレートが止まらない。10日、イスラエルの攻撃で死亡した3人のうちの一人、タレブ・アブドラは、ヒズボラのかなりのトップクラスの司令官であったことがわかった。
ヒズボラは、その報復として、シャブオットが始まった11日夜から、24時間ではこれまでで最大となる、215発ものロケット弾を、イスラエル北部に向けて発射した。ハイファ上空や、ガリラヤ湖、ティベリア付近でも迎撃が目撃されていた。
続いて12日も朝から夜にかけて、イスラエル北部でロケット弾警報が相次ぎ、この日だけで100発と、爆発物を搭載したドローンが、30機発射された。標的は、ヒスボラによると、北部にある10ヶ所近い、イスラエル軍基地であった。
建物などに着弾すると計算されたロケット弾は迎撃されたが、それ以外は空き地や山中に着弾する。その破片などによって、ガリラヤ周辺や、ゴラン高原のカツリン周辺、森林など、少なきくとも15ヶ所で発火して火災となり、再び消火作業に追われることとなった。消火中に、2人が負傷した。
また2日目には、国境から対戦車砲も発射されたことで、イスラエル兵2人が負傷した。
イスラエルの反撃:レバノン南部への攻撃でヒズボラ7人死亡
これに対し、イスラエルは、レバノン南部ヤナタとタイヤ周辺のヒズボラ関連の建物を、戦闘機で攻撃、破壊した。この攻撃で少なくとも7人が死亡したとみられる。
حجم الدمار الذي خلفته الغارة التي استهدفت منزلأ من عدة طبقات في جناتا. pic.twitter.com/DiClgsTPdz
— جريدة الأخبار – Al-Akhbar (@AlakhbarNews) June 13, 2024
緊急事態に備えるイスラエル軍と救急隊
ヒズボラが保有しているだけでなく、イスラエル全土に照準を合わせて発射可能な、ロケット弾やミサイルは15万発。それらが動き始めるや否や、イスラエル軍は、躊躇することなくレバノン領内を大規模に攻撃すると言われている。
加えて、北部国境では、特にレバノン側が、高い位置にあるので、ヒズボラが、一斉に侵入してくる可能性がある。今、ヒズボラとの本格的な戦闘が目前となる中、イスラエル軍は、5月末から、北部でのあらゆる戦闘に対応できるよう、特別な訓練を行っていた。
www.jpost.com/israel-hamas-war/article-804681
また、ヒズボラが。イスラエル軍の基地や、都市を制服するだけでなく、全国の電力を止めることも予測される。そうなると連絡がとりにくくなり、特に、全国で発生する負傷者の搬送も混乱が予想される。
全国広範囲にミサイルが飛来する可能性に備え、マーゲン・ダビッド・アドンMDA(救急隊)も、独自の連絡網や、病院との連携、負傷者搬送に関する連絡の方策にあたっての地域の警察との連携についても備えを行っている。
また、MDAは、防弾用救急車、ヘッドライトやヘルメット、防弾チョッキ、ガソリンや水、などのさまざまな緊急用物資を積み込んだ大型トレーラー40台を準備しているとのこと。こうした準備をしておけば、回復も早いとMDAは言っている。
www.jpost.com/israel-hamas-war/article-806118
G7にて:フランスとアメリカがエスカレート阻止へ
イタリアでは、現在G7会議が行われている。ガザ情勢についても話し合われる中、北部ヒズボラとの対立もエスカレートしてきた形である。
前レバノン支配者で、今も影響力をある程度は維持するフランスのマクロン大統領は、レバノン南部での情勢悪化を阻止するべく、アメリカと協力していくことで合意したと発表した。