ヒズボラのロケット弾の雨でアラブ人女性死亡:テルアビブ近郊でも重傷者 2024.11.19

Medics and police at the scene of a deadly Hezbollah rocket impact in Shfar’am, northern Israel, November 18, 2024. (Israel Police)

イスラエルのベイルート攻撃続く

イスラエルとレバノン(ヒズボラ)の交渉が進んでいるとはいえ、両者の戦闘は激しさを増している。イスラエルは、ベイルートへ空爆を継続。レバノン保健省によると、18日の攻撃で、少なくとも4人死亡。18人が負傷した。前もって警告がなかったとの報道もある。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/israeli-strike-said-to-hit-south-beirut-building-without-prior-evacuation-warning/

ヒズボラのイスラエルへの攻撃も続く

一方、18日(月)、ヒズボラも、毎日のことではあるが、イスラエル北部と中央に向けてロケット弾を、数時間おきに、合計100発以上発射した。ドローンも3機。この中で、ガリラヤ地方に撃ち込んだ、ロケット弾5発が、アラブの街シュハラム3階建てアパートに着弾。

アラブ人女性サファ・アワドさん(41)が死亡。少なくとも17人が負傷した。その中には、重傷の4歳児も含まれている。このほか急性不安発作で搬送された人も含め56人が病院に搬送されていた。

Medics at the scene of an impact of rocket fragments between Ramat Gan and Bnei Brak in central Israel, November 18, 2024. (Magen David Adom)

またテルアビブ方面への攻撃で、迎撃ミサイルの破片が落下し、テルアビブ郊外では、建物や車が破損し、道路脇で火災にもなった。

ブネイブラックとラマットガンでは、5人が重傷となった。

ヒズボラのロケット弾は15万発とも言われていたが、まさに終わりなき攻撃の日々である。

イスラエル軍は、レバノン領内のロケット弾発射施設の摘発と破壊を続けており、発射するか、破壊するか、まさにどっちが早いか的な攻防になっている。

www.timesofisrael.com/2-injured-as-hezbollah-fires-100-rockets-at-north-beirut-shuts-schools/

*アラブ人に犠牲者が多い背景にシェルター整備遅れ?

今回、ヒズボラのロケット弾で死亡したのはアラブ人であった。これまで振り返ると、11月4日時点でのデータで、イスラエル市民犠牲者は34人。そのうち19人がアラブ人系市民である。

人口比からするとかなりアラブ人の犠牲の確率が高いといえる。内訳は、12人は、昨年7月にマジダル・シャムスで死亡したドルーズ族の子供たちだった。

ガリラヤ地方のマジド・アル・クルムでアラブ系市民2人が死亡。10月にはマアロット・タルシハで、アラブ人男性1人が死亡などとなっている。

ハアレツ紙は、アラブ系住民地域のシェルターの確保が遅れていると指摘している。

www.haaretz.com/israel-news/2024-11-04/ty-article-magazine/.premium/israeli-govt-neglected-to-build-shelters-in-arab-towns-now-deaths-are-growing/00000192-f8af-d51d-a5d3-febf0b530000

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。