ヒズボラのロケット弾で農作業中のイスラエル市民ら7人死亡:イスラエルはベイルート攻撃 2024.11.1

First responders carry the shrouded body of a woman who was killed when a rocket fired from Lebanon hit an area near Kiryat Ata on October 31, 2024. (AHMAD GHARABLI / AFP)

ヒズボラのロケット弾でイスラエル人とタイ人7人死亡

31日(木)午後、ヒズボラのロケット弾が、メトゥラの林檎園に着弾。そこで働いていた5人が死亡。1人が重傷となった。

www.mako.co.il/news-channel12?subChannelId=2084e720e1ba1910VgnVCM200000650a10acRCRD&vcmid=49c2c593fa3e2910VgnVCM100000700a10acRCRD

死者のうち1人はキブツ・ダフナに所属するイスラエル人、オメル・ワインスタインさん。4人の子供の父親だった。4人はタイ人労働者だった。

メトゥラは、レバノン国境に隣接する町である。イスラエル軍は、危険は低くなったとして、市民は自宅に戻れると発表したために、一部の市民が戻っていたとのこと。

メトゥラの市長は軍に不要に帰宅を許可したと抗議の声をあげている。

また同日、この数時間後に発射されたロケット弾約25発が、ハイファ周辺へ飛来。キリアット・アタ地域のオリーブ畑にいたイスラエル人ミナ・ハッソンさん(60代)と、その息子のカルミさん(30代)が、迎撃されたロケット弾の破片によって死亡した。道路上の車も破損していた。

ヒズボラの攻撃で、1日に市民7人が死亡するのは、7月にマジダルシャムスで子供たち12人が死亡して以来、最悪の日となった。

イスラエルのレバノン南部への攻撃が激化しているのに合わせて、ヒズボラは、ロケット弾と多数のドローンを発射する傾向にある。

イスラエルの攻撃も続く:ベイルートへの攻撃も

suburb of Beirut, Lebanon, Friday, Nov. 1, 2024. (AP Photo/Hussein Malla)

一方、イスラエルのレバノン内ヒズボラ関係地点への攻撃もかなり激しく続いている。Times of Israelによると、昨日だけで、イスラエル軍は、レバノンとガザへ200箇所を攻撃したとのこと。

南レバノンへの一連の攻撃では、ヒズボラの対戦車部隊指揮官のムハンマド・ハリル・アリアンが死亡していた。

また、イスラエル軍は昨日、ベイルート南部の市民に、避難を呼びかけ、人々が急ぎ脱出する様子が確認されていたが、本日11月1日深夜すぎ、ベイルート南部で少なくとも10回の空爆があったとレバノンのメディアが伝えている。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/lebanons-official-news-agency-says-at-least-10-strikes-hit-south-beirut/

アメリカのホフスタイン中東特使がイスラエル訪問

Ma’ayan Toaf (GPO)

レバノンで、激しい戦闘になっている中、イスラエルとレバノンの間での停戦仲介を進めているアメリカのホフスタイン中東特使がイスラエルに到着。ネタニヤフ首相と会談した。

レバノンでは、ヒズボラがリタニ川まで撤退しても良いと言っているといった情報もあり、停戦に入れるかもしれないという希望が出始めている。

ネタニヤフ首相は、ホフスタイン氏に、仲介に感謝を表明しつつも、結局のところ、紙の上で合意するかどうかの問題ではなく、イスラエルが、実質的に約束が守られているかどうか(ヒズボラがリタニ川以南には存在しない)を確実にする権限を維持するということであり、その現状の元で、北部住民が帰宅できるようにするということだと伝えた。

www.timesofisrael.com/israel-said-seeking-us-commitment-for-freedom-of-action-if-hezbollah-breaches-truce/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。