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北部では、ヒズボラとイスラエル軍の攻撃の応酬がエスカレートしている。お互い、やったら、やりかえす状態にあり、もはやどちらが先だったかはわからなくなっている。そうした中、戦闘は、じわじわエスカレートしており、ついにティベリア近くにまで攻撃が忍び寄ってきた。
以下の攻撃の応酬の後の今も、ミサイルのサイレンが、同じメロン山や北部国境地域で、時々鳴っている状態にある。
ヒズボラ:ヒズボラの攻撃でイスラエル市民1人死亡
イスラエルが独立記念日を迎えていた14日(火)、ヒズボラが、イスラエル北部アミダットの近くにあるイスラエル軍拠点へ、対戦車ミサイルを、少なくとも3発発射した。ここには、テザーと呼ばれる情報収集用の大きな気球が空中に浮かんでおり、2発目の攻撃で、テザーは、いったん空中へ上がったあと、レバノン領内へ墜落した。
この攻撃で、イスラエル兵5人が負傷。1人は中等度負傷となった。
基地に何かを届けようとしていた民間人のエラッド・フィンガーハットさん(38)は、負傷したイスラエル兵を助けようとしていたときに戦車砲の攻撃を受け、死亡した。
エラッドさんには、3人の子供がいる。エラッドさんの両親は、中国へ旅行中だった。友人のロズニーさんは、「彼は、神のみこころでそこにいたのだろう。神の考えることはわからない。彼はただ兵士たちを助けたいと思ったのだろう。」と語っている。
イスラエル軍は、関係地域への反撃を実施した。
イスラエル:ヒズボラの司令官1人死亡
上記攻撃のあった14日の夜、今度は、イスラエル軍が、レバノン南部、タイヤ付近で、車に乗って移動中だったヒズボラのフセイン・イブラヒム・マッキ上級指揮官をドローンで攻撃し、死亡した。
イスラエル軍によると、戦争の中で、多くの作戦を担っていた指揮官である。イスラエル軍によると、10月7日以降に死亡したヒズボラの司令官は、30人にのぼっている。
ヒズボラ:メロン山へロケット弾60発
これに対し、15日朝、ヒズボラが、レバノン国境から8キロ地点のメロン山へ向かって、ロケット弾60発近くを発射した。メロン山には、航空交通管制基地があるので航空交通への影響が懸念されたが、その地点への被害はなかった。また標的の中には、イスラエル軍基地でもあったが、被害は軽微だったとイスラエル軍は発表している。
www.timesofisrael.com/hezbollah-drone-hits-lower-galilee-in-terror-groups-deepest-strike-of-war/
ヒズボラ:イスラエル領内100キロ地点・ティベリヤ近くへドローン
イスラエルの反撃にヒズビラが反撃し、15日(水)、レバノン国境から35キロ、ガリラヤ湖のティベリアの西、ゴラニ交差点付近に爆発物を搭載したヒズボラのドローンが着弾した。
周辺には、ミサイル探知機の巨大バルーン「スカイビュー」が配備されている空軍基地がある。ヒズボラはこれを狙ったと発表した。非常に繊細な情報がある基地であるため、被害状況などの精査がすすめられている。
負傷者はなかったが、国境から35キロ地点と、これまでで、最もイスラエル領内深くに着弾した形である。ヒズボラはこの攻撃を、先にイスラエルが、ヒズボラの高官フセイン・イブラヒム・マッキを、ドローンで殺害したことへの報復だと発表した。
イスラエル:国境からレバノン領内100キロ地点を攻撃
これに対し、イスラエルは、倍返しがごとく、国境からレバノン領内100キロ地点のバールベックのヒズボラ拠点への攻撃を実施した。
بعلبك منذ قليل pic.twitter.com/AS9fgvcShE
— أحمد عباس ياسين || Ahmed A. Yassine (@ahmedyassine30) May 15, 2024
なお、これまでの衝突で死亡したイスラエル人は10人。イスラエル兵は4人。一方、ヒズボラの方では、ヒズボラ戦闘員など298人、ハマスなど他の過激派60人、レバノン市民60人。レバノン軍兵士1人となっている。