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ベイルート中心アパート空爆:これまでで最大22人以上死亡
10日夕刻、イスラエル軍は、ヒズボラ幹部1人ワフィク・サファを標的にベイルート首都の8階建アパート他への空爆を実施した。
レバノン保健省によると、この空爆で、少なくとも22人が死亡。100人が負傷している。
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イスラエルはコメントしていないが、ベイルート中心部への直接の攻撃は3階目で、今回の死者数は最大を記録した。
南レバノン激戦・UNIFIL隊員2人負傷
南レバノンの国境付近でもヒズボラ拠点や武器の摘発、それに伴う戦闘が続いている。
IDFハガリ報道官は、ヒズボラがイスラエルを攻撃する目的で設営していた施設装備やトンネル、武器を押収してその軍事力を破壊していると説明。地上軍は、南レバノンの家屋のほとんど全部が、ヒズボラ関連地点になっていると報告している。
Follow IDF spokesperson RAdm. Daniel Hagari inside a Hezbollah terrorist stronghold in southern Lebanon. pic.twitter.com/cckNIAdr8Y
— Israel Defense Forces (@IDF) October 10, 2024
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ヒズボラは、昨日10日もイスラエル北部のアッコやナハリヤ方面へ50発以上のロケット弾が発射したが、死傷者は出ていない。
こうした中、10日、UNIFIL(国連レバノン暫定駐留軍)の基地近くで戦闘になり、UNIFILの監視塔に戦車砲があたって、隊員2人が負傷した。
UNIFIL隊員負傷で国際社会のイスラエルへの怒り
UNIFIL隊員が負傷したことを受け、国連平和維持活動責任者のピエール・ラクロワ氏は、国連安保理において、UNIFL隊員が負傷したとして、戦闘でUNIFIL活動地域が25%削減されているが、そこからさらに、隊員300人、続いて200人を移動させなければならないと訴えた。国際社会からイスラエルへの非難が高まっている。
これに対し、イスラエルのダノン国連代表は、国連決議に従っていないのはヒズボラであって、イスラエルは、その履行にむけた戦いをしているのだと反論した。つまり、国連決議1701に基づいて、ヒズボラをリタニ川以北まで押し戻すという、本来はUNIFILがするべきことをイスラエル軍が今しているということである。
また、イスラエルは。南レバノンに地上軍を派遣する際、この地域では巻き添えになる可能性があるとして、UNIFILに一時撤退を求めていた。しかし、UNIFILの方でこれを拒否していたという。
*イスラエルが訴えるUNIFILの問題
UNIFILは、最初は1978年に、レバノンに駐留する国連の治安監視団として設立された。
その後1982年と2006年の2回のレバノン戦争の後、国連安保理での決議1701が可決され、イスラエルとの国境(ブルーライン)から、リタニ川までの約30キロの間が非武装地域とされた。
この地域に、UNIFILとレバノン軍以外、いかなる武装勢力も存在しないことを監視する役割を担っていたのがUNIFILである。
2024年9月時点で、50カ国(日本含まず)から派遣された部隊、1万58人からなっている。
ところが、ヒズボラは、この国連決議を全く履行せず、2006年以降、この地域に膨大な数のミサイル発射施設、イスラエルに続く地下トンネルシステム、膨大な数の拠点と武器庫を壮大に完成した。目的は、イスラエルに攻め込んで、これを亡き者にすることである。
今現在、イスラエルが必死に摘発しているのは、これらの危険なヒズボラの拠点なのである。
では、UNIFILとレバノン軍は、2006年以降、20年近く、いったい何を監視していたのか。イスラエルのカッツ外相は、この9月、国連でこの点を激しく訴えていたのであった。