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停戦後ヒズボラとイスラエルの軍事衝突で9人死亡:まだ停戦合意は維持との認識は継続
ヒズボラとイスラエルが停戦で合意してから、10日になる。レバノン軍は、保有する8万人の軍隊から5000人をレバノン南部に派遣し、アメリカとフランスが協力して平穏を監視している。
しかし、すでにイスラエルとヒズボラの間には、軍事的な衝突も発生している。12月2日(月)夜、ヒズボラが、停戦後初めてゴラン高原のドブ山にむけて、2発の迫撃砲を発射した。
これに対し、イスラエルは、停戦合意への重大な違反だとし、ヒズボラ関連地点や、ロケット発射地など数十箇所への空爆を行った。レバノン保健省は、この攻撃で、2つの村が被害を受け、少なくとも9人が死亡したと発表した。(戦闘員か市民かの区別なし)
www.nytimes.com/2024/12/02/world/middleeast/hezbollah-israel-lebanon.html
このようなことがありながらも、イスラエルもヒズボラも、双方、停戦合意は維持しているとの認識を維持している。アメリカのカービー報道官も、まだ予想以内だと述べ、停戦合意はまだ維持されているとの認識を語っている。
ヒズボラ戦力復帰に向けた気配:シリア内乱でイランへ最大の警戒
ヒズボラは、かなり弱体化したとはいえ、今また戦力回復への動きを始めているとの情報もある。
ロイターによると、ヒズボラはまだロケット弾数千発を保持しており、まだ無力化にまでは至っていない。イランの支援を受けて回復しようとしているとの動きも指摘されている。
そのルートはシリア経由になるが、実際、イスラエル軍は、12月1日(日)、ヒズボラに武器を届けようとしていた航空機を、イスラエル軍がシリア上空で発見。攻撃して引き返すよう仕向けたところ、引き返していくということも発生している。
イランはこの方法で、ここ数ヶ月の間、ヒズボラに武器を供給していたとみられている。
シリアでは、反政府勢力がアレッポを制圧するなどの動きが出ており、ロシアとイランが、シリアに軍隊を派遣している。
また、シンベトによると、イランは、イスラエルの指導者らに対するサイバー攻撃も200回以上行ったと報告している。イスラエルは最大限の警戒を行なっている。
12月4日(水)、イスラエルのカッツ国防相は、ヒズボラとレバノンに対し、攻撃を続けた場合、イスラエルは、ヒズボラもレバノン軍も区別なく、大規模に反撃すると釘を刺す声明を出した。
なお、イスラエルは、まだレバノン南部からの撤退は開始していない。