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ベイルートでのシュクル葬儀:ナスララ党首がイスラエルへの復讐を宣言
レバノンのベイルートでは、30日に暗殺されたヒズボラの高官ファド・シュクルの葬儀が行われていた。シュクルは、ナスララ党首の右腕とも目された人物である。
シュクルの暗殺について、イスラエルは、先週ヒズボラが、ゴラン高原のマジダル・シャムスを攻撃して、イスラエルの子供たち12人が死亡したことへの報復だと発表していた。
ナスララ党首は、葬儀の中で、オンラインで、シュクルとハニエの暗殺でイスラエルは一線を超えたと述べ、イスラエルは、ガザを支援するすべての組織からの復讐を覚悟しなければならないと豪語した。
また、誰かが殉教すれば、すぐに新たな指揮官が来ると述べ、暗殺の影響は大きくないことを強調した。
イスラエル軍のハガリ報道官は、イラン、ヒズボラとその全ての関係組織に関するすべての状況に対し、イスラエルがあらゆる状況を見据えて準備を整えていると発表した。
なお、2日には、シリアとレバノン国境付近で、シリアからレバノンに入ったコンボイをイスラエル軍が攻撃したの情報がAFPから入っている。この地域は、イランからの武器搬入が行われていた地域で、イスラエルがそれを阻止したとみられる。
また、北部国境ではこれまでと同様の小振の攻撃の応酬が続いているとのこと。イスラエル側に被災者は出ていないが、ヒズボラ工作員2人が死亡している。
ヒズボラがベイルートから幹部や重要武器類を搬出している?
この葬儀の後、Times of Israelによると、アラビア系メディアが、ヒズボラが、イスラエルの攻撃に備えて、ベイルートから、重要幹部を避難させたほか、ベイルートに保管していた軍備も首都から他の地域に移送させていると伝えている。なんの目的かは不明。
石のひとりごと
イランとヒズボラなどの枢軸が何を計画しているのかは、まだわからない。イスラエルとアメリカは、イランが決定的な戦争に突入する準備がなく、現時点ではまだ戦争は望んでいないと推測している。
しかし、油断はならない。今後、イランの出方次第では、ナスララ党首が言うように、イランとその枢軸が一斉にイスラエルを攻撃する可能性は十分ある。イランの背後にいるロシアの動きにも注意が必要である。