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宗教シオニスト党スモトリッチ市がE1に家屋建設と爆弾発言

フランス、イギリスなど欧米諸国が、次々に、パレスチナ国家を承認する動きを見せていることを受けて、8月13日(水)、強硬右派の宗教シオニスト党党首で、現政権で経済相のスモトリッチ氏が、E1ゾーンに3401軒の家族建設を承認したと爆弾宣言を発表した。
これにより、パレスチナ国家設立は不可能になると語った。
E1ゾーンとは、エルサレムとその東部で、西岸地区の中に位置する、ユダヤ人居住地、マアレイ・アドミムの間に位置する地域である。
この地域に、ユダヤ人の家族が建って、エルサレムとマアレイ・アドミムが繋がるこことになれば、西岸地区は、南北で分断される。ラマラは北部で、ベツレヘムとヘブロンが南部に別れてしまい、パレスチナ国家設立は難しくなる。
スモトリッチ氏は、この発表をする際、マアレイ・アドミムのガイ・イフラック市長と、ユダヤ・サマリア地区(ヨルダン川西岸地区)評議会議長のイスラエル・ガンツ氏を伴っていた。
この計画については、もう長年存在はしているが、あまりにも問題が大きいため、前に進んでいなかった案件である。今回、スモトリッチ氏はその爆弾を落としたわけだが、まだ公式に決定したわけではないとのこと。
大イスラエルのビジョン:ネタニヤフ首相発言でアラブ諸国が懸念表明
スモトリッチ氏は、宗教シオニスト、言い換えれば、イスラエル、西岸地区、ガザ地区、シナイ半島、ゴラン高原を含む地域は、神がイスラエルに与えたものであり、イスラエルが支配するべきだと信じる政治家である。
この考え方は、大イスラエルと呼ばれ、歴史的には「熱心党」的な強硬右派たちが持っているビジョンである。最近ではそのペンダントも出まわっていたようである。
しかし、この実現のためには、今西岸地区に住んでいるパレスチナ人を追い出さなければならない。今のネタニヤフ首相が強硬右派政党からなる右派連立政権であることを傘に、強硬右派、特に過激入植者たちのパレスチナ人への暴力が拡大している。
そうした中でのスモトリッチ氏のこの爆弾宣言ということである。これについて、イスラエルのテレビ局i24が、ネタにヤフ首相へのインタビューで、大イスラエルのビジョンにどのぐらいつながりを感じているかと聞かれ、「かなり」と答え、物議となった。
אתה מתחבר לחזון ארץ ישראל השלמה?
נתניהו: מאוד pic.twitter.com/n0STPVHtrG— עמיאל ירחי (@amiel_y) August 12, 2025
サウジアラビア、カタール、ヨルダン、エジプト、アラブ連盟、そしてパレシチな自治政府からも、地域と世界の平安を脅かすといっせいに警告する声明が出た。
