パレスチナ囚人90人(女性69人・少年12人)釈放:今後重大なテロ事件懸念 2025.1.20

オフィル刑務所 (Photo: Rafi Kotz)

パレスチナ囚人釈放第一弾の90人がラマラと東エルサレムへ釈放

1月19日(日)午後遅くにガザから人質3人が解放された後、予定から遅れて、1月20日(月)1am(日本時間8am)、パレスチナ囚人90人(女性69人、未成年21人(最年少は12歳))が、イスラエルのオフィル刑務所から釈放された。

78人は、赤十字の車で、ベイトゥニア検問所経由で、西岸地区のラマラに、12人は、ロシア人収容施設経由で、東エルサレムの自宅に戻った。

東エルサレムでの祝賀は禁止されたが、パレスチナ自治区であるラマラでは、花火が打ち上げられ、路上は、迎える数千人で大騒ぎだった。

なお、釈放がこれほど遅くなったことで、イスラエルが非難されたが、イスラエルは、ガザから3人が戻ってすぐに、90人を釈放する予定だったが、赤十字がプロセスを遅らせたと言っている。

イスラエルでは今後重大テロ増加の懸念

今回、釈放された囚人は、女性や未成年とはいえ、人民戦線指導者アフマド・サアダトの妻や、イスラエル人少女リナ・シュネルブさん殺害(2019)に関与した女性幹部ハリダ・ジャダール(写真)が含まれていた。

また、未成年とはいえ、銃撃で逮捕された15歳など重大なテロ事件に関わった者たちである。

イスラエルでは、これほど危険なテロリストたちを、東エルサレムを含む西岸地区へ釈放することを受けて、今後、重大なテロ事件が増えるとの懸念が高まっている。イスラエル国内では、釈放を妨害しようとする動きもあった。

第一弾として釈放された90人は、他の刑務所から、一旦、テロリストの収監所であるオフィル刑務所に集められたのだが、この時に配置された警備員は1500人であった。

オフィル刑務所の外では、(釈放に反対の)デモ隊が、道路を封鎖し、警察・国境系部隊と衝突になり、3人が逮捕された。

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なお、今回の釈放は、第一弾であり、最終的には1904人のテロリストが釈放される予定である。

石のひとりごと

当初、西岸地区へは釈放しないと言っていたのに、なんと、ラマラと東エルサレムへ釈放されたことに驚いた。

未成年や女性だからかもしれないが、イスラエルの中庭にテロリストを放ったようなものである。

釈放された者たちは、イスラエルの刑務所でハクをつけてさらに、危険になっている可能性が懸念されるが、その心が、恐れとやる気のなさで満たされ、目が開かれて、その悪の力より解放されるように。

今回はオフィル刑務所から、90人が釈放されたが、釈放される囚人が出ていく時に、囚人たちが不穏になる様子もあったとのこと。

以前、この刑務所に取材に行ったことがあるが、西岸地区からのPLO、ファタハ(パレスチナ自治政府)に関係するパレスチナ人と、ハマスが分けて収監されていた。説明によると、ハマスは、ファタハとは、比べものにならないほど悪質なので、一緒にできないとのことであった。

実際の様子を見ても、ファタハは、どこか普通の人間テロリストだったが、ハマスの部屋にいる者たちは、その目つきだけでなく、放つ何か不気味なものがあったことを覚えている。明らかに霊的ななにかが働いていたと思う。

今回は、西岸地区と東エルサレムへの釈放ということなので、まだハマス関連は釈放されていないと思われる。

しかしながら、今後は、さらに凶悪なテロリストが釈放されていくことになる。霊的な戦いも念頭に祈っていかなければならない。

 

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。