パレスチナ人記者アブ・アクレさん死亡の件:その後 2022.6.19

Yellow tape marks bullet holes on a tree and a portrait and flowers create a makeshift memorial at the site where Palestinian-American Al-Jazeera journalist Shireen Abu Akleh was shot and killed in the West Bank city of Jenin, Thursday,, May 19, 2022. Almost two weeks after the death of Abu Akleh, a reconstruction by The Associated Press lends support to assertions from both Palestinian authorities and Abu Akleh's colleagues that the bullet that cut her down came from an Israeli gun. (AP Photo/Majdi Mohammed)

先月11日、西岸地区ジェニン付近での衝突で、銃撃されて死亡した、アルジャジーラのパレスチナ人記者アブ・アクレさん(米市民)について。

事件発生から、ちょうど1月になるが、パレスチナ自治政府は、イスラエル軍が故意に銃殺したとの主張を変えていない。

これについては、アメリカのメディアCNNもイスラエルによる故意の銃殺と報道しており、国際的にもイスラエルの責任とのイメージのままである。

また、アクレさんの葬儀が、東エルサレムで行われたことから、葬儀の途中でイスラエル軍と衝突になり、棺桶がひっくりかえりそうになるという、あってはならない様相も報じられた。この点からも、イスラエルへの批判が続いている。

イスラエルは、アクレさんの死因について、十分な調査を行わないのに、イスラエルによるものと決めつけることに不満を訴え、パレスチナ側と共同の調査をするよう要請した。しかし、その後も、十分な共同調査は行われておらず、証拠はまだ揃ったとは、いえない状況である。

この間、パレスチナ側は、アクレさんの遺体の解剖を行い、体内にあった銃弾を確保したと発表した。それをみれば、イスラエルの銃弾か、そうでないかがわかると考えられる。

イスラエルは、その銃弾を開示するよう要請しているが、パレスチナ側は今に至るまで、その開示を拒否している。

その後、アルジャジーラが、銃弾の破片の写真を入手したとして公開した。しかし、写真だけでは、判明は難しい。イスラエルは、証拠不十分のまま、イスラエルを非難できないとして、新たに共同調査を要請したとのこと。

www.timesofisrael.com/idf-expands-abu-akleh-probe-issues-fresh-call-for-pa-to-handover-fatal-bullet/

イスラエルとパレスチナ人の戦い。これぞ終わりなき戦い・・の様相である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。