2日朝、エルサレムの林の中で、拷問死したとみられるパレスチナ人少年(16才)の遺体が、イスラエル警察によって発見された。
このニュースはまたたくまに、パレスチナ人の間でユダヤ人に殺されたといううわさとなって広がり、東エルサレムで激しい暴動となった。
暴徒は、治安部隊に投石し、東エルサレム・シュアファットの路面電車の駅を破壊。イスラエルの治安部隊が、催涙弾などを使って対応している。暴動はエルサレム旧市街にまで広がりはじめたため、治安部隊は、神殿の丘への出入りを遮断した。
東西エルサレムを横断する路面電車は、現在、東エルサレムへの乗り入れを停止している。
<ユダヤ人によるテロか、アラブ人どうしの犯罪か>
パレスチナ人たちは、右派ユダヤ人が、3人の少年が誘拐殺害されたことへの報復として、パレスチナ人少年を殺したと主張している。そう考えるのはパレスチナ人だけではない。イスラエル人の中でも同様のうわさが広がった。
というのも昨日、エルサレム市内で、右派ユダヤ人たちが、イスラエル政府に対し、「実質の報復をするべき」「アラブ人の死を」と叫んで暴徒化し、通りがかりのアラブ人がリンチされかかったという経過があるからである。(詳しくは以下)
しかし、警察によると、この少年が、アラブ人同士の抗争の中で殺害された可能性もまだ残っているという。少年は、アラブ人の家族間抗争で、問題ありとしてマークされている家族に所属しているからである。
アッバス議長は、議長自身が、先のユダヤ人少年3人の誘拐に関して、すぐに非難声明を出したように、ネタニヤフ首相も、パレスチナ少年の殺害を非難すべきだと言っている。
ネタニヤフ首相は、まだ何の声明も出さず、まずはこの少年の殺害に関して、早急に調査するよう指示を出した。
<緊急のとりなし>
パレスチナ少年殺害の真相がすぐに明らかになるように。双方の怒りと憎しみ、報復と暴力がエスカレートしないよう。
非常に繊細で複雑な問題を左右するネタニヤフ首相、アッバス議長を覚えてとりなしが必要である。