バン国連事務総長が、カタールでアッバス議長、カイロでケリー国務長官と会談した後、22日午後、イスラエルに到着。停戦にむけてネタニヤフ首相を会談した。
ネタニヤフ首相は事務総長に、イスラエルに撃ち込まれるロケット弾や、トンネルの実態などを映像や写真などを使って詳細に説明した。
会談後の共同記者会見において、ネタニヤフ首相は、ハマスがアルカイダたボコハラムのようなテロ組織であり、民間人を盾にしていること、イスラエルが存続のために戦っていると、国際社会にむかって熱弁。理解を求めた。
一方、バン氏は、イスラエルが自衛する権利と義務を認め、ケリー国務長官と同様に、単なる一時的停戦だけでは不十分だとの見解を明らかにした。その上で、イスラエルには最大の自粛を求めた。 http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/183228#.U880-6W9DCs
国連では、安全保障理事会が開催されており、パレスチナ代表と、イスラエル代表がそれぞれの立場を主張している。今のところ、国連からの停戦へのこころみについては大きな動きはない。現在、ケリー国務長官が、カイロでエジプトと協議をつづけているところである。
<イスラエル世論>
イスラエルでは、テルアビブやハイファで、一部戦争反対のデモがおこっているが、イスラエルの世論は、おおむね「戦争はしたくない。ガザで民間人が死んでいるのは受け入れがたい。しかし、今回はいたしかたない戦争だと思う。」という流れになっている。
ハイファでは、反ガザ攻撃に続いて、イスラエル軍支持のデモも発生している。テルアビブでは、逆に「パレスチナ人はイスラエルがなくなればいいと思っている。我々もガザがなくなればいいと思っている。」といった過激な落書きもみられている。
数日前に戦死したハイファ在住の兵士ニシム・ションカルメリさん(21)は、アメリカから移住した単身兵士だった。ハイファ市のプロサッカーチームが、「彼の葬儀を寂しいものにしてはならない」とよびかけたところ、2万人が葬儀に参列した。
昨日、イスラエル兵が一人(おそらくは遺体)誘拐されたとのニュースが入ったが、イスラエル社会がヒステリックになって、戦闘を止めるべきだといった空気にはなっていない。
今週、イスラエルでは、新しい大統領の就任式の予定だった。しかし、リブリン新大統領は、「就任のパーティをやっている時ではない。」として、盛大な就任式をキャンセルした。
ペレス前大統領は、大統領としての最終日、戦死者家族を訪問し、遺族、特に父親を失った子供たちを見舞っている。