バイデン政権の重要ポジションには14人のユダヤ人が予定(まだ指名の段階)されている。ユダヤ人だからといって、皆が親イスラエルとは限らないが、バイデン政権が意外に親イスラエルに動く可能性もある。
1)チャック・シューマー上院多数派代表(70)(決定)
アメリカの上院では、ジョージア数から二人の民主党員があらたの加わったことで、民主党が多数派となったが、その指導者は、ユダヤ人のチャック・シューマー氏になった。アメリカの政界でユダヤ人がついた中では最も高い地位である。
シューマー氏は、ニューヨーク、ブルックリン生まれで、母親は、ホロコースト犠牲者家族の一員。シューマー氏は、アメリカのユダヤ人組織、またイスラエルにも支持的であることで知られる。シューマー氏は、就任の際、「聖書的な意味においても自分の責任は大きい。」と述べた。シューマー氏の就任は、イスラエルのメディアでも大きく報じられていた。
また、上院議長でもあるカマラ・ハリス副大統領の夫は、ユダヤ人である。バイデン政権は、上院下院とも民主党になっているが、少なくとも上院では、ユダヤ人を保護するということにおいては希望ありかもしれない。
www.timesofisrael.com/chuck-schumer-is-now-washingtons-highest-ranking-jewish-elected-official-ever/
2)アントニー・ブリンケン国務長官(58)とシャーマン副国務長官(71)
バイデン大統領の長年の顧問であり、国務長官に就任するアントニー・ブリンケン氏は、継父がホロコーストサバイバーのユダヤ人。この家族の歴史が、ブリンキン氏の世界観に、大きな基盤になっているといわれる。
ブリンキン国務長官は、民主党員として、アメリカがイランと核合意に復帰することを望むとしながらも、その前に、イスラエルとよく話し合うと表明している。
ウエンディ・シャーマン副国務長官は女性で、2015年のイランとの核合意の際、ユダヤ人と親イスラエル勢力を代弁した人物。これに反対するリベラルなアメリカのユダヤ人との間に入ったという。民主党員だが、基本的に親イスラエル路線。
3)ロナルド・クレイン大統領首席補佐官(59)(決定)
クレイン氏は、長くバイデン大統領の参謀であり、昨年11月に最初にこのポジションに指名されていた。ユダヤ人としてシナゴーグで育ち、トーラーにも精通しているユダヤ人とのこと。
4)デービッド・コーヘンCIA副長官(58)とアブリル・ヘインズ国家情報長官(51)
コーヘン氏は、オバマ時代にもこのポジションにいた。したがって、イラン問題についても十分エキスパートであるとみられている。
CIAの副長官は、女性でアブリル・ヘインズ氏。国家情報長官でもあるヘインズ氏は、父親は異邦人だが、母親がユダヤ人。父親も認める形で、自らをユダヤ人と認識している。
5)アレハンドロ・マヨーカス国家安全保障長官(60)
マヨーカス氏は、ホロコーストを生き延びてキューバに逃げ伸びたサバイバーの息子である。母親もユダヤ人。アメリカのユダヤ人社会ともつながりが深く、反ユダヤ主義暴力にも対処するとみられる。
6)アン・ノイバーガー国家安全保証局サイバーセキュリティ長官(45)
ブルックリン生まれの超正統派ユダヤ教徒で、国家安全保障局に10年勤務している。米軍のサイバー部隊設立に関わっている。祖父母がホロコーストサバイバーである。また両親は、1976年にハイジャックされたエア・フランスに乗っていて人質となり、イスラエル軍に劇的に救出された経験を持つ。
www.timesofisrael.com/orthodox-jewish-woman-named-cybersecurity-chief-for-us-spy-agency/
7)エリック・ランダー科学技術政策局長(63)
DNAの形を発見した著名な遺伝学者。ニューヨークで生まれ育ったユダヤ人
8)レイチェル・レビン保健相副長官(64)
ペンシルベニア州医師総長を勤める保守派ユダヤ人で、アメリカで初めてとなるトランスジェンダー(性転換)の政府高官。
9)ジャネット・イエリン財務長官(74)
イエリン氏は、第15代連邦準備制度理事会(FRB)の初の女性議長であった。今回は、初の女性財務長官になるみこみ。
www.timesofisrael.com/all-the-jews-biden-has-tapped-for-top-roles-in-his-new-administration/
<石のひとりごと>
ユダヤ人は世界中におり、各地で活躍している。ホロコーストの時代、虐殺されていたユダヤ人を救出したロシア軍や米軍の中にも多数のユダヤ人がいた。バイデン政権の中にも、アメリカのユダヤ人やイスラエルを助ける人材や、道が備えられているということかもしれない。
かつて、ペルシャで、迫害下にあったユダヤ人を助けたのは、その時に王妃になっていたユダヤ人女性エステルであった。危機にある中、エステルの叔父モルデカイは次のように言った。「あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、この時のためでもあるかもしれない。」(エステル記4:14)
上院多数派代表のシューマー代表がいっているように、アメリカ政府の高位についているユダヤ人たちが、その責任を果たしていくことを祈る。(まだ一部は指名段階ではあるが)
個人的だが、いよいよ同世代、50歳代の人々が活躍していることに目が止まった。