ハンユニスでイスラエル兵1人死亡・遺体拉致試みるハマスを軍が阻止 2025.7.10

IDF

ガザでは、激しい戦闘が続けられている。空軍の空爆の中、地上軍が入って行って、ハマスのトンネル、インフラや武器を破壊する。無論、人質がいないかの捜索も行われる。

しかし、その作業は、極めて危険な闇の世界に入っていくようなものである。ハマスは、イスラエル兵たちを待ち伏せし、地下から突然、出てきて銃撃してくる。また爆弾を仕掛けておいて、遠隔操作でイスラエル兵たちを殺害しようとする。

現地からの報告を読んでいると、まるでテレビゲームように、敵がどこに潜んでいるかわからない、その中へイスラエル兵が入っていく。そんな様相である。

こうした状況の中、7月7日(月)、ガザ北部で、イスラエル兵5人が仕掛けられていた爆弾で戦死した。

その2日後の9日(水)、ガザ南部、ハンユニスで、工兵部隊のアブラハム・アズレイ上級軍曹(25)が死亡した。

アズレイ軍曹は、掘削機の運転し、建物などの破壊を担当する兵士として、ハンユニスでの戦闘に出動していた。

ハマスはそのアズレイ軍曹を拉致しようと襲いかかった。揉み合いの結果、アズレイ軍曹は射殺された。すると、ハマスは、アズレイ軍曹の遺体を拉致しようとしたため、イスラエル軍が、それを阻止したという。

ガザにいるイスラエル兵は、戦闘で負傷するだけでなく、まだ拉致の危険もあるということを覚えなければならないということである。

Yosef Mizrahi

アズレイ軍曹は、今回の従軍の3カ月前に結婚したばかりだった。新婚の妻と両親が後に残された。

なお、アズレイ軍曹は、一度軍から脱走した過去があった。戦いたくなかったのだろう。このために、階級は下げられていたが、ハマスと戦って戦死した経過から、元の一級軍曹の階級での戦死とされた。

www.timesofisrael.com/israeli-soldier-killed-during-attempted-hamas-abduction-in-southern-gaza-idf-says/

石のひとりごと

アズレイさんは、望んで戦争にいったのではなかった。ただイスラエル人に生まれたから、こんな人生になった。

アズレイさんだけでなく、家族の人生もみんな破壊された。こんな虚しいことはない。戦争はやはり、人間の罪の結晶だと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。