ハマスにガザ4万人死亡の責任を問うCNN: ハマス聞く耳なし 2024.8.19

18日、CNNの国家安全保障特派員チーフのジェームス・シュート氏が、ドーハ在住のハマス高官、オサマ・ハムダンに、オンラインでのインタビューを行った。シュート氏は、20年以上、パレスチナ問題を現地で取材し続けていると主張している。

CNNは、反イスラエル的なポジションでの記事が多い。またシュート氏自身も、イスラエルに厳しいことを書く記者だが、このインタビューについては、かなりイスラエルの主張に近いことをハムダンに投げかけていた。非常に興味深いと思った。イスラエルのメディアでも取り上げられていた。

www.jpost.com/israel-hamas-war/article-815165

シュート氏は、ハムダンに、10月7日にイスラエル人を1200人殺害し、以来、ガザ保健省によると、ガザ市民4万人が死亡したといわれていることについて、ハマスは責任を感じているか。ハマスは10月7日の奇襲を後悔しているかと問いかけた。

ハムダンは、「あなたはイスラエルの主張で、イスラエルの視点でしかみていない」と述べ、イスラエルが建国して以来、土地を奪われ、どれほどのパレスチナ人が殺されたか。

イスラエルは和平交渉を何度も頓挫させてきたことを振り返れば、パレスチナ人の主張がわかるはずだ」といった内容を返している。つまり、ハマスは、10月7日に1200ものイスラエル市民を虐殺したことについて、正義を主張したということである。

しかし、シュート氏は、ハマスの地下トンネルや拠点が、ガザ市民の住居やモスク、学校の下にあるとして、その人々の死の責任はあるとは思わないのかと問いかけた。

ハムダンは、問いかけに対し、きちんと答えず、「イスラエルは、2014年の紛争で4000人、2008年に1000人を殺したとイスラエルを非難。今も4万人、うち1万6000人の子供を殺している。あなたはそれを知らない」と訴えた。

シュート氏は、自分は2014年の時も2008年の時も現場にいたこと。またCNNは、ガザ市民の死者については、そのまま報告していると説明しようとしたが、ハムダンにもはや聞く耳はなく、自分の主張を続けるばかりであった。最後には突然、姿を消してしまった。

シュート氏は、このインタビューについて、「ガザ市民たちがハマスの責任もあるといっていたので、ハマス自身に問いかけたのだが、ハマスはそれに答えなかった。代わりに私に歴史の授業をした。私自身、それらの出来事を目撃していたことを知らないかのように」と書いていた。

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石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。