ハマスの10月7日奇襲関与のUNRWA職員12人を公表 2024.2.20

16日、イスラエル軍のガラント防衛相は、10月7日のイスラエル南部への奇襲に加わっていたUNRWA職員12人の名前と顔写真もつけて世界に公表した。同時に、虐殺されたイスラエル人の遺体をガザへ拉致するUNRWA職員のビデオクリップも公表している。

しかし、実際には、30人以上のUNRWA職員が、虐殺に関わっていたとイスラエルは発表している。イスラエルは、UNRWAは、国連機関としてもはや認めることはできないと訴えている。

www.timesofisrael.com/video-shows-unrwa-social-worker-abducting-body-of-israeli-on-oct-7/

日本を含め多くの支援国はUNRWAへの支援を停止している。しかし、UNRWAの活動については、中東全域のパレスチナ難民を支援しているため、機能が停止したら、パレスチナ人の命に関わる問題になるとの懸念もあがっている。

このため、ノルウェーが、逆に約38億円の追加支援を決めるなど、支援を継続している国々もある。

これに対し、イスラエル人によるJIJ(エルサレム公正委員会)は、国連において、10月7日の虐殺を忘れないように訴え、UNRWAを廃止する運動を行っている。

この研究所は、イスラエルにおける人身売買への対策を含め、人権対策を取り扱うイスラエル人による組織。創立20年となり、その優れた働きのために、国連でも認められ、国連においての発言が許される立場に立っているという。

IJIによると、UNRWAの活動の50%以上は教育活動で、全部が人道支援ではない。その教育活動の中には、イスラエルの存在を否定するものが含まれている。

UNRWA廃止後のパレスチナ難民への人道支援については、ヨルダンとレバノンについては、それぞれの国が代行できるとし、その他は、国連のWFP(世界世界食糧計画)とUNHCR(国連人権保護機関)が、代行できると訴えている。

しかし、根本的な問題は、75年以上経つのにまだ難民でいる、難民でいられるようにしたのが、UNRWAだったということである。

その目的は、イスラエルを打倒することが前提にあり、それまでの間、難民の存在を維持するということであったとも考えられなくもない。

難民がいなくなれば、イスラエルを打倒する意味も必要がなくなるからである。意図しなかったのかもしれないが、イスラエルを撲滅することを前提に、難民たちを延々と世代を超えて難民の立場に置き続けてきたとも考えられるのである。

特にガザでは、UNRWA職員の9割がパレスチナ人であり、ハマスの支配下にあった。

UNRWAが、正式な国連加盟国であるイスラエルの滅亡を前提にしていたとすれば、国連の名の下で、その機能を担うことは、ありえないということである。

jij.org/news/petition-to-stop-funding-unrwa/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。