
ネタニヤフ首相がアメリカ行っている背後の7月8日(火)、イスラエルでは、ディナ・プロジェクトと呼ばれる女性たちのグループが、ヘルツォグ大統領夫人ミハルさんに、「正義の探究:10月7日とその後」と題する報告書を提出した。
このプロジェクトは、ハマスが、10月7日にイスラエルへの大規模な奇襲を行った際に、集団レイプというきわめて非人道的な犯罪行為を、計画的に武器として使ったとして、国際社会は、重大な戦争犯罪だと認めるべきだと訴えるものである。
プロジェクトの女性たちは、この1年半あまりをかけて、ハマスが10月7日当日、またその後ガザで人質になった期間にも行われた性的暴行の証言や現状をできるだけ集めて、報告書としてまとめた。

この日、大統領夫人のところに来た女性の中には、10月7日に、ハマスの集団暴行を受け、その後拉致された先でも性的暴行を受けた、と公に証言しているイラナ・グリツスキーさん(31)もいた。
イラナさんは、拉致されてから55日目に、人質交換で解放されたが、以来、公に、「私は地獄を通った。私のような目には誰一人あうべきでない」と証言している。
www.timesofisrael.com/released-hostage-ilana-gritzewsky-says-captors-sexually-assaulted-her/
しかし、反ユダヤ、反イスラエル主義傾向にある国際社会の中では、イスラエル人女性たちがこのような目にあったということを否定する人が少なくないと言う。その傾向にも対処するのがこの報告である。
報告書は、戦時中の性犯罪は、完全犯罪になりやすいと指摘する。現場がカオスであり、犠牲者はその後、殺されるか、生き残っても、トラウマの深さがあまりにも大きく、それを隠そうとするからである。
しかし、戦争中のこうした性暴力は戦争犯罪として認められるべきであり、加害者やその司令官は、被害者本人の直接的な証言なしにでも起訴されるべきだということを訴えるとしている。
その次の段階としては、イスラエル政府と司法庁が、国民を守る責任を集団の権利を行使して、国として、性犯罪のテロリストを訴追すること。結果、国連安保理が、ハマスは、性犯罪を武器として使う組織だとして、ブッラックリストに載せることだと語っている。
なお、10月7日当時、イラナさんと一緒にいた、パートナーのマタン・ザンググーカーさんは、今もまだガザで人質になっている。

イラナさんと、マタンさんの母親エイナブさんは、停戦を要求する市民デモの中で、主要人物である。この日、2人は、アメリカにいるネタニヤフ首相に、「時間を無駄にせず、すぐにも合意に署名して、停戦するべきだ」と訴えた。
