ハマスがパレスチナ諸派として共同声明:文民による独立委員会がガザ統治すると発表 2025.10.25

Hamas terrorists (Phסto: Reuters/ Ramadan Abed)

10月13日(月)にトランプ大統領が、ガザの停戦を宣言してから、10日が経過した。合意に従い、イスラエルは、ガザ地区53%を支配するライン、イエローラインまで撤退している。

このラインより海岸方面に、イスラエル軍はいないということである。法も秩序もなく、ハマスが、支配力を強化する動きに出ており、イスラエルに協力した者だとして、処刑する様子も伝えられている。

www.bbc.com/news/articles/cn51w77vlp9o

イスラエルでは、アメリカがCMCC(ガザ文民軍調整センター)を立ち上げ、ヴァンス米副大統領、ルビオ国務長官が、出入りして、停戦を継続させようとする中、23日(木)、ハマス、イスラム聖戦など、パレスチナ組織の代表たちが、エジプトのカイロに集まっていた。

この会議は、シシ大統領が承認の元で行われ、次の段階(人質返還完了後)について話し合ったとのこと。

会議の後、ハマスは、パレスチナ諸派による声明として、パレスチナの文民からなる独立委員会が戦後ガザを統治することで合意したと発表した。

しかし、その文民が誰なのか、誰であればアメリカが承認するのかといった、詳細は含まれていない。また、この中にパレスチナ自治政府にファタハがいなかった可能性も指摘されており、それほど重要な意味がある会議ではなかったかもしれない。

ハマスは、ガザの支配には関わらないことへの準備はあるとしているが、武装解除には明確にはしなかった。

ハマスは、2005年から丸20年間、ガザを支配してきた。それを簡単に手放すことは考えにくい。

www.ynetnews.com/article/sjfqkdy0gl

www.timesofisrael.com/hamas-fatah-hold-talks-in-cairo-on-next-steps-for-gaza-truce/

以下は、停戦発効2週間後のガザ市の最新のドローン映像。すさまじい破壊である。復興には20-30年かかるとも言われている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。