ハマスがイスラエルへロケット弾10発:アシュケロン市街地に1発着弾・1人負傷 2025.4.7

Scenes of an impact from a Hamas rocket in Ashkelon, April 6, 2025. (credit: MDA SPOKESPERSON)

ハマスがイスラエルへロケット弾10発:1発がアシュケロン市街地に着弾

4月6日(日)午後9時、ガザ中央、デイル・アル・バラ(まだイスラエル軍が入っていない地域)からアシュケロン、アシュドド方面に向かって、ロケット弾10発を発射された。この直後、ハマスが犯行声明を出した。

迎撃できたのは5発だけだったため、少なくとも1発がアシュケロン市内の高層アパート近くに着弾。複数の車両が破損し、シェルターに逃げる際に2人が負傷。

数人が急性不安発作で病院に搬送された。最終的に、30代男性が軽傷と報じられている。

これを受けて、イスラエル軍は、ロケット発射地をドローンで攻撃した。カッツ国防相は、ハマスは重い打賞を払うだろうと表明。ネタニヤフ首相は、ちょうどアメリカへ移動中だったが、電話で、カッツ国防相に、ハマスに対する戦闘を拡大するよう指示した。

www.timesofisrael.com/hamas-fires-10-rockets-at-southern-israel-injuring-one-in-largest-attack-in-months/

最近のガザ情勢:3月18日以降ガザで1000人以上死亡

イスラエルは、ハマスが第二段階への交渉に応じないことを受け、3月1日から、人道支援物資の搬入を停止し、3月18日からは、ガザ各地での大規模な空爆と陸軍が攻撃を再開。同時進行で、水面下での交渉も行っている。

ガザ保健省(ハマス)によると、戦闘再開になってからガザでの死者は、1000人以上になっている。

ガザからロケット攻撃があった4月6日(日)は、この1日だけで32人が死亡。このうち、ハンユニスでは、避難民の居住地が攻撃を受け、男性5人、女性5人、子供5人が死亡したとのこと。

ガザ北部でもジャバリア難民キャンプで4人が死亡などと、ガザ避難民が死亡したという報告が出ている。

イスラエル軍は、攻撃の前に、ガザ避難民に避難するよう指示しているが、国連人道支援事務所によると、ガザ地区の60%のエリアが、立ち入り禁止になっているとのこと。200万近いガザ市民が、ガザの40%のエリアで、テント生活になっているということである。

www.timesofisrael.com/netanyahu-says-idf-carving-new-corridor-across-gaza-to-cut-off-rafah-pressure-hamas/

石のひとりごと

ロケット弾が、高層アパートに着弾しなかったことは奇跡だった。もし当たっていたら、大変な被害が出ていただろう。

一方、ガザ保健省の報告によると1000人も死んでいるという。この中の多くは戦闘員だと思われるが、避難民の中に、犠牲者が出ていないとも言い切れない。これからイスラエルは、もっと激しい攻撃に出るので、犠牲者はさらに出る。憎しみは積み上がる一方である。

国対国の関係は、話し合いで解決しないと、武力では解決はできないことはわかっているのだが、ハマスは基本的にテロ組織、言い換えれば犯罪組織である。話し合いに応じるような相手ではない。というか、話し合いをするべき相手ではない。

ただ人質を取られているので、交渉をしなければならないだけなのである。最終的には、イスラエルは、ハマスを壊滅させ、自らこの地を見張るシステムにするしかない。それを望んでいるわけでは、まったくないのだが。

こうした中で、パレスチナ人たちは、「ハマス出ていけ」「平和がほしい」と叫んでいた。イスラエル人も同じである。背後にいる悪いサタンの影響を取り除いてくださるよう、平和の主がこの地に到来してくださるように、とりなしていこう。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。