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ドーハでハマスと交渉するウィトコフ米中東特使
今週、カタールのドーハで、アメリカのウィトコフ中東特使の仲介で、イスラエルとハマスの交渉が行われている。
ウィトコフ特使が、ラマダンと過越が終わるまでの50日間、第一段階の停戦を延長し、ハマスは、停戦の始まりにまず生きている人質10人を解放する。
さらに、50日が終わる前に、すべての人質(遺体を含む)を解放することを提案している。イスラエルもこれに合意を表明している。
ハマスはこれに合意しなかったようで、ウィトコフ中東特使は、一時、最初に解放する人質は5人と譲歩案も出していたと伝えられている。
しかし、最終的に、ハマスは、3月14日(金)、ボーラー米人質担当特使の案であった、アメリカとの二重国籍のイスラエル兵、エダン・アレクサンダーさん(18)1人と、アメリカ国籍の人質4人の遺体を解放すると発表した。
ボーラー人質担当特使は、先週、イスラエルの知らないところで、アメリカ人の人質を優先的に解放させる方向で、ハマスと独自に交渉を行っていたことが明らかとなり、大
きな問題となった。イスラエルが公に摘発したことで、失敗に終わった件である。
この件が明らかとなった後、ボーラー氏は、すでに人質特使の役割からは退くことを表明している。
ところが、ハマスはこの件を持ち出し、ウィトコフ中東特使ではなく、ボーラー人質特使の案に合意すると発表したということである。
ネタニヤフ首相は、ハマスがまた汚い心理的な攻撃をしたと激怒し、ただちにイスラエルの代表団をドーハから呼び戻した。安息日明けに代表団とともに今後どうするかを協議すると発表した。
ウィトコフ中東特使は、残念ながら、ハマスは、こちらが提示した、停戦延長という「橋渡し案」を受け取らず、恒久的な停戦なしには、実現不可能なことを要求していると述べ、アレクサンダーさんとアメリカ人人質だけを解放するというハマスの案を拒否すると発表した。
また、ハマスは今、無駄な時間稼ぎをするという非常に悪い賭けに出ているとして、ハマスにはもう時間は残されていないことはよくわかっているはずだと述べた。
ルビオ米国務長官;ハマスのしていることは普通ではない
ルビオ国務長官は、ハマスを野蛮人だと非難した。また、イスラエルが3人の人質と交換に、パレスチナ人テロリスト400人を釈放したことをあげ、とんでもない取引だと述べた。
「ハマスがしたことは、幼児を含む多くの市民を拉致して1年以上も返さなかったという野蛮な犯罪である。
ところが、世界はこれを何か普通のことのように取り扱っていないか。人質は全員解放させなければならない」と述べた。
www.timesofisrael.com/witkoff-hamas-is-making-a-very-bad-bet-that-time-is-on-its-side-it-is-not/
しかし、こうした状況に慌てているのは、まだガザにいる人質の家族たちである。交渉が分断したら、今まだ生きている人質の命はなくなるかもしれない。
実際、解放された人質オメル・ウエンカートさんは、交渉がうまくいかなかった時、管理者がうさばらしの暴力を振るったので、交渉の失敗を悟ったと証言している。
家族たちはネタニヤフ首相に、安息日の終わりを待たずに、協議を始めるよう訴えていた。家族たちの必死が伝わってくる。
石のひとりごと
エデンさん1人でも助けたいが、アメリカ人だけ先にということもできない。非常に痛みを伴う決断である。やはり、ハマスの意地悪さは、悪霊レベルだと感じる。
ここからどう向かっていくのか、先が見えない。人質の無事と奇跡的にでも早く、全員が解放されることを主に祈るしかない。