人質がいよいよ帰ってくるという中、悲しい知らせがあった。
2023年10月7日に、ノバ・ミュージック・フェスに参加していて、なんとか生き延びていたロエイ・シャレブさん(30)が、10月10日(金)、ネタニヤに近い国道2号線で、車を炎上させて自殺しているのが発見された。
ロエイさんは、ガールフレンドのマパル・アダムさん(25)とノバ・ミュージック・フェスに参加していて、ハマスに襲われていた。
2人は、会場に近い、キブツ・レイムのトラックの下で何時間も一緒に死んだふりをして、隠れていたが、マパルさんは、ハマスの銃撃で死亡した。
ロエイさんは、マパルさんをかばおうとして、マパルさんに覆いかぶさって、背中を撃たれたが、生き延びた。
イスラエルの治安部隊が救出に来たのは、その約2時間後だった。
2人は、この前の週に、ミュージック・フェス会場に近い、キブツ・レイムに住み始めたばかりだったという。
ロエイさんは、自殺する数時間前にSNSに、「もう耐えられない」と投稿していた。ロエイさんは、「誰にも理解できないだろう。それは理解できる」と述べ、「もうこの苦しみを終わりにしたい。私は生きているけど、私の内側の全ては死んでいる」と書いていた。
ロエイさんの母親は、10月7日の後、やはり車を炎上させて、自殺していた。ロエイさんの父親と妹が遺族となった。
10月7日のハマス襲撃事件は、2年たった今も、予想以上に多くのイスラエル人に心の傷をもたらしている。
被害者やその家族、解放された元人質たちは言うまでもなく、当日救出に奔走したMDA(救急隊)隊員たちも、もっと多くの人を救えたのではないかとの思いを抱えているという。

また先週、7日(火)、ハン・ユニスのイスラエル軍駐留地で、手榴弾の爆発事故で、負傷した3人のイスラエル兵のうち、重傷だったシュムエル・ガド・ラハミム上級曹長(予備役)(31)が死亡した。
