トランプ政権発足以来、すでに西岸地区のユダヤ人家屋3000軒を認可したイスラエル政府だが、アモナの撤去が始まった昨日の午後、あらたに3000軒を認可すると発表した。
これらは西岸地区に既存する14の認可ずみ入植地の敷地内での新しい物件である。エルサレムポストによると、3000軒のうち2000軒はすでに販売できる状態で、残り1000軒は、様々な段階にある建築物だという。
トランプ政権になってからすでに6000軒が認可されたことになり、これまでとは比べものにならないスピートである。前オバマ政権でかかっていたブレーキが外れて、本来あるべき姿に戻ったということである。
リーバーマン防衛相は、「西岸地区が通常にもどった。」と語っている。
<新しい入植地建設への委員会設立>
ネタニヤフ首相はまた、入植地を拡大するための委員会を設立すると発表した。今までのところ、認可が続いている物件はすべて既存の入植地内の話である。
この委員会は、入植地を拡大、またはあらたに設立することが目標になる。エルサレムポストによると、こうした動きは、1991年以来だという。
<トランプ政権は無言>
トランプ政権は、今回もまったくおとがめなし状態。いわば、”It’s not our business. “である。イスラエルのことなのだから、イスラエルが決めたら良いというのが基本姿勢である。(ネタニヤフ首相とトランプ大統領の最初の会談は2月15日予定)
国連も、この1月1日から国連事務総長に就任したアントニオ・グテーレス氏*が、「二国家二民族解決のため、一方的な行動には”懸念”を表明する。」と語るにとどまっている。
フランスは、「12月に可決された安保理決議2334に反する。」として強く批判すると表明したが、それ以上はなすすべなし、といったところである。
*第9代グテーレス国連事務総長
前のバン・キ・ムン事務総長が任期を終え、2017年1月1日からは、新しくポルトガル出身のアントニオ・グテーシス氏が第9代国連事務総長に就任している。
グテーシス氏は、ポルトガルの社会党書記長の後、約7年、首相にもなっている。2005年からは、第10代国連難民高等弁務官だった。トランプ大統領のシリア難民等の入局拒否については、避難する立場である。
グテーシス事務総長は、国連で、神殿の丘とユダヤ人の関係を無視する動きがあることについて、「ローマ帝国は明らかにエルサレムの神殿を破壊し、ユダヤ人を追放した。(神殿の丘とユダヤ人には深い関係があるということ)」との認識を語り、
「反ユダヤ主義とは戦う」姿勢を明らかにしている。
www.timesofisrael.com/palestinians-protest-un-chief-for-affirming-jewish-link-to-temple-mount/
<石のひとりごと>
入植地の建築現場で働いているのは、多くが近隣に住むパレスチナ人である。入植地の建設が増えると、パレスチナ人の仕事も増える。なんとも皮肉な話・・・