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ネタニヤフ首相緊急入院
15日土曜午後、ネタニヤフ首相が、カイザリヤの自宅で、一時意識を失って転倒。頭を打撲した。このため、テルアビブのテル・ハショメール、シェバ医療センターに救急搬送された。
搬送先に到着した時には、意識はしっかりしており、支なしで自力で車を降り、歩いて救急室に入って行ったという。その後各種の検査が行われ、特に問題は発見されなかったとのこと。しかし念のため、さらに必要な検査を行うとして、日曜夜までは、病院に留まることとなった。
救急搬送されてから数時間後の午後7時、ネタにタフ首相は、ビデオで国民に向かってメッセージを発した。それによると、気分は良好とのこと。少しめまいがしたのは、この週末、家族と共にガリラヤ方面に出かけた際、帽子も被らず数時間過ごしたのが悪かったと説明した。
現在、イスラエルでは、熱波が続いており、特に海抜を下回るガリラヤ地方や死海などでは40度を超える暑さとなっている。それでも野外派のイスラエル人は、多くの人々が、各地の野外国立公園に遊びに行っているという。ネタニヤフ首相は、危険なので、できるだけ外で過ごさないようにとのメッセージも添えた。
תודה רבה לכולכם! ❤️ pic.twitter.com/idRD1xiqRx
— Benjamin Netanyahu – בנימין נתניהו (@netanyahu) July 15, 2023
首相代理不在という問題
ネタニヤフ首相が、健康上の問題で病院に一時的に入院するのは、これが最初ではない。2018年、また今年1月にも一時的な入院をしていた。その度に問題となったのが、緊急時に首相代理を務める人物がいないという点である。
イスラエルの基本法(憲法のようなもの)によると、入院しても意識がはっきりしている場合は、首相はそのまま任務を遂行できる。しかし、意識を失った場合は、首相代理と任命されている人が、首相の役割を代行するとなっている。
しかし、ネタニヤフ首相は、首相代理と指定されている人を選んでいない。このため、もし前もって麻酔で一時的に意識を失うことがわかっている場合は、首相自身が、どの大臣が首相代理を務めるかと指定することができる。
今年1月、検査で鎮静剤を使うにあたり、ネタニヤフ首相は、アリエ・デリ氏を指名した。このデリ氏は、汚職で最高裁から閣僚不適任とされた人物である。
www.jpost.com/breaking-news/article-726810
一方、急に意識障害が出て、首相自身による代理人の指定が間に合わなかった場合、その時の国会が閣僚の中から、首相代理を選挙で選ぶことになる。
しかし、実際のところ、現時点で次期首相に適任とされる人はみあたらず、国会は、司法制度改革問題で分裂寸前の現状にある。
今回、もしネタニヤフ首相が、倒れたまま意識が戻っていなかったら、政府は大混乱に陥るところであった。
www.jpost.com/israel-news/politics-and-diplomacy/article-750179