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ハマスが交渉に条件付きで前向き表明
イラン後、注目が集まっているイスラエルとハマスの交渉について、ハマスは、先週末、アメリカのウィトコフ特使が提示し、イスラエルが合意を表明した、60日停戦と人質生存者10人(生存者20人の半数)、遺体18人)という案について、交渉に応じると前向きな返事を出した。
しかし、これまでと同様、最初から完全停戦を求めるなど、いくつかの変更点を求めており、いずれもイスラエルには、受け入れ難い点と伝えられている。
とりあえず、6日(日)、イスラエルからは、代表団が、ドーハ(カタール)に向かった。しかし、今回の代表団に、ダーマー戦略大臣など、これまでの交渉担当者は含まれていない。その場で決定ができないメンバーである。
停戦と人質全員解放を求める国民:ヘルツォグ大統領も異例のネタニヤフ首相激励
ネタニヤフ首相は7月7日(火)にワシントンでトランプ大統領に会うことになっている。この時に、交渉を続けるのか、どうかが表明されると予想されている。トランプ大統領は、とにかく60日の停戦に持ち込もうとする可能性が高い。
しかし、今のウィトコフ特使の案によると、解放される生存中の人質は総数の半分の10人のみである。残される10人の解放については、何のも通しもないままに取り残されることになる。
では、だれがその先の10人になるのか、これは、非常に繊細な問題で、まるでシンドラーのリストだと、人質家族たちはその心の複雑な思いを訴えている。基本的に、人質家族フォーラムは、50人全員一度に解放されることを求める立場である。
しかし、アメリカへ出発するネタニヤフ首相は、生存しているとみられる人質20人の健康面での情報を受け取ったとのこと。たとえば、アロン・オヘルさんは、片目を失い、頭部にも負傷していると言われている。医療面でニーズが高い人を優先するということだろうか。
www.timesofisrael.com/netanyahu-said-to-receive-report-on-medical-conditions-of-all-living-hostages/
ネタニヤフ首相訪米直前の7月5日(土)夜、政府が閣議を行っている時、テルアビブでは、停戦と人質全員の解放を訴えるデモには、数千人が参加した。
デモの人々は、首相に対し、「あなたにしかできない。ここに来てほしい(人質を連れて)。どうか勇気を出してほしい。」と言っている。
www.timesofisrael.com/thousands-to-rally-for-hostages-as-cabinet-set-to-discuss-emerging-gaza-truce/

異例にも、ネタニヤフ首相がアメリカへ出発する直前、ヘルツォグ大統領がネタニヤフ首相と直接会い、反対意見はあるだろうが、勇気ある決断をするよう、ネタニヤフ首相に伝えた。
こうした中、ハマスとの停戦について、極右のベン・グヴィル氏は、トランプ大統領が進めている停戦案を阻止しようと、強硬右派宗教シオニストのスモトリッチ氏に、協力を示唆した。
しかし、スモトリッチ氏はこれを拒否した。交渉に反対することで、解放されたかもしれない人質が解放されないようなことがあってはならないと述べたとのこと。
今、国全体が、ネタニヤフ首相がアメリカで、どんな結果を導きだすのかと、人質たちは全員解放されるのか、真剣に見守っている。
ネタニヤフ首相アメリカへ出発:福音派ハッカビー在イスラエル米大使同行
ネタニヤフ首相は、アメリカへ向かう直前に、生きている人質も遺体も全員を救出する覚悟だと語った。また、ハマスが権力を維持する可能性を残す形での、人質交渉には応じないとも語った。
今の停戦案で話を進めるのかどうかについては、「こちらの条件で」話し合うと強調した。
「ガザが再び、イスラエルの脅威にならないようにする。つまり、ハマスはガザにいてはならないということだ.
」とも語った。
ネタニヤフ首相夫妻が乗り込んだ、首相専用機シオンの翼には、在イスラエル米大使のマイク・ハッカビー氏も同乗した。
ハッカビー氏は、バプテスト教会の牧師、またバプテスト連盟の会長でもあった人で、明確な福音派である。イスラエル支持の立場を強烈に支持している。出発にあたり、「これは偉大な旅になる」と記者たちに語っていた。
石のひとりごと
アメリカへ向かう、ネタニヤフ首相のプレッシャーは計り知れない。国民は、人質全員の解放と、ハマスの脅威が今後ないという保証を求めている。それ以外に妥協の余地はない。
しかし、ハマスはそれを確実に拒否しており、トランプ大統領はどう言うのかわからない。これからの何時間かの間に、イスラエルの方向性を決めるのは、ネタニヤフ首相だけなのである。
こうした中で、ネタニヤフ首相のすぐ横に、明確なイスラエル支持の福音派、ハッカビー氏が置かれていることに、なんとも安心感というか、不思議な主の守りを覚える。
ハッカビー氏は主の名で祈り続けることだろう。いずれにしても、主のみこころだけがなるということである。
トランプ大統領はアメリカの福音派たちの影響を大きく受けているせいか、ガザでは、GHF(人道支援財団)のCEOも福音派牧師にしている。
こんな大統領はこれまでになかったことである。なんとも興味深い時代だと思う。
