ネタニヤフ首相最側近ロン・ダーマー戦略大臣(54)辞任:与野党から称賛と感謝 2025.11.12

Ron Dermer, Israel’s minister of strategic affairs, during a visit to the White House, in July.Credit...Alex Brandon/Associated Press

11月11日、2022年末に発足した、今のネタニヤフ政権で、戦略大臣として、ネタニヤフ首相の最側近とも言われてきた、ロン・ダーマー戦略大臣(54)が辞任を表明した。

今後は、ちょうどトランプ大統領にとっての義理の息子クシュナー氏のように、特使としての働きに移行する。ダーマー氏の後任的な働きは、現在ワシントンに駐留する、在米イスラエル大使のイェヒエル・ライター氏が引き継ぐことになる。

ダーマー氏が、今、辞任を決めたのは、ガザでの停戦が継続しており、イラン始めとする7つの戦線においても、それなりの平穏が続いているからである。

ダーマー氏は、政権発足時、2年の約束で閣僚入りしたが、その後、2023年10月7日に始まり、2年続いた危機的状況に対応して2回延長してきたとのこと。

辞任にあたり、ダーマー氏は、10月7日は、イスラエル史上最も暗い日だったと述べ、当時の政府の失策を認めたが、同時にその後の対応に始まり、7つの戦線(ガザ、西岸地区、ヒズボラ、イラク、シリア、イラク、イエメン)すべてと直面してきた2年の間、指導力を発揮したネタニヤフ首相を称賛。10月7日のことと共に、ネタニヤフ首相とその政府は、歴史に覚えられるだろうと語った。

ダーマー氏と協力してきたカッツ国防相は、同氏の貢献に感謝を表明。「ダーマー氏は、真のシオニストとして、国への深い愛と献身で働いてきたと称賛と感謝を表明した。強硬右派のベングヴィル氏、スモトリッチ氏も同様のコメントを出した。

野党代表のラピード氏は、保守的なダーマー氏との相違点はあるとしながらも、「彼がシオニストであり、愛国者であることを疑ったことはない。これまでの働きに感謝し、これからの歩みの祝福を祈る」と表明した。

多様なイスラエルの中で、与野党あらゆる方向から敬意を受けたダーマー氏。イスラエルの政治家たちに、最終的な一致点、何が大切なのかと示すことになったようである。

www.timesofisrael.com/resigning-as-minister-dermer-says-govt-will-be-remembered-for-both-oct-7-and-its-response/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。