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ガザでの戦闘において、イスラエル軍が制覇したと言っていたガザ北部にハマスが再度活動していることがわかり、激しい戦闘になっている。ここ数日、若いイスラエル兵の戦死も続いている。
ハマスを本当に殲滅できるのか。できたとして、その後ガザをどうするのか、その目標地点が明確でないという点が、国内外で問題になっている。こうした中、ガラント防衛相が、今のネタニヤフ首相の計画が非現実的であると公に意義を表明するという爆弾を落とした。
ギャラント防衛相がネタニヤフ首相に意義表明
ネタニヤフ首相は、ガザの戦後について、ハマスにもファタハやいかなる過激派とも関わりがない、穏健なガザの市民がガザを管理し、それを湾岸諸国が支える形を出している。ガザは非武装とし、治安維持は、少なくともしばらくはイスラエルが担当するとしている。
これについて、ギャラント防衛相(中道左派)は、15日、ハマスは言うまでもなく、いかなる過激派にも関わっていない民間人の組織があると期待することは、非現実的ではないかとの独自の考えを表明。
もしそのようなガザの民間人たちが見つからなかった場合、戦闘は延々と続き、ガザはさらに悲惨な状態となり、国際社会でのイスラエルの立場はさらに悪くなる。
加えて、その間に、ハマスやその他の過激派がガザで力を盛り返してくる。イスラエルは、結局、それを抑えるために、ガザを軍事統治することを余儀なくされることになる。こうなると、イスラエル軍やイスラエル市民にも死者が相次いで国内からも反発が出る。
ギャラント防衛相は、イスラエルは、ガザの統治にも治安維持にも関わるべきでないとの考えを語った。
ということは、アメリカやアラブ諸国が主張しているように、パレスチナの国を前提としてパレスチナ自治政府が、ガザについても責任を持つ形を受け入れるしかないということになる。
ギャラント防衛相は、この時、ネタニヤフ首相がこれまでハマスがガザを支配するのを事実上助けてきた(カタールの現金をガザへ搬入許可など)ことで、ガザ市民200万人を今の状態に追い込んだとも語っていた。明言はしていないが、だから、少なくともパレスチナ自治政府が関わるのもしかたがないではないかと示唆している形かもしれない。
しかし、ネタニヤフ首相は、今も、絶対にパレスチナ自治政府をガザには関わらせないと言い続けている。また、まずは、ハマスに勝利することが先決だとも言っている。
*アメリカ・エジプト・カタールの動きとアラブ首脳会議の動き
アメリカは、ハマスをガザから一掃することについては、イスラエルに賛成している。しかし、その後に恒久的な平和をもたらすためには、西岸地区とガザ地区を合わせたパレスチナ国家設立が必須だと考えている。
これを念頭に、今のパレスチナ自治政府(アッバス議長)を強化して、ガザを管理させ、その復興を湾岸諸国と世界諸国が助けるというビジョンを掲げている。
これをイスラエルが受け入れやすいようにするため、ブリンケン米国務長官は、イスラエルがこの計画を受け入れるなら、サウジアラビアとの国交正常化へと進めるよう尽力している。
ブリンケン国務長官が、今週、パレスチナ、アラブ諸国首脳たちと会談に予定とのこと。
爆弾落としのギャラント防衛相
ギャラント防衛相が爆弾を落とすのはこれが初めてではない。
以前、司法制度改革を進めようとしていたネタニヤフ首相に対し、イスラエル兵含む国民の大反発が出ていたことから、ギャラント防衛相は、この改革をやめた方がよいと進言した。
ネタニヤフ首相は、ギャラント防衛相の解任を命じたが、国民の反発を受けて、これを撤回するという経過である。
mtolive.net/全国で60-70万人徹夜デモ・空港遮断・全国最大スト/
今回も、ネタニヤフ首相に、今の作戦は成功しないのではと、正面から意義を申し立てた形である。
ギャラント防衛相という人物は、実質的に優秀なのかどうなのかは別として、いわば、はだかの王様をはだかだと指摘した子供のような動きをする存在のようである。
しかし、有効な代替案を出しているわけでもなく、ただイスラエルの首相と国防相の間の亀裂を世界にアピールした形になった。右派政治家たちからは、ギャラント防衛相を解任すべきとの声が上がっている。