ネタニヤフ首相がホワイトハウスからカタールへ電話:ドーハ攻撃について謝罪 2025.9.30

President Donald J. Trump hosts a trilateral phone call with Prime Minister Benjamin Netanyahu of Israel and Prime Minister Mohammed bin Abdulrahman bin Jassim Al Thani of Qatar in the Oval Office, September 29, 2025. (The White House)

9月29日(月)、ネタニヤフ首相が、トランプ大統領と、ガザ停戦案についての会談のため、ホワイトハウスに到着すると、ネタニヤフ首相は、まず、大統領執務室から、カタールのアル・シャニ首相に電話をかけ、9月9日に、カタールの首都ドーハへの攻撃をしたことについて謝罪した。

イスラエルはこの日、ガザの外にいるハマス高官ら5人が、ドーハに集まるとの情報から、5人の暗殺を狙って、ミサイルによる攻撃を実施した。しかし、この攻撃で死亡したのは、ハマスの5人ではなく、ハマスの下級隊員とカタールの警備員1人であった。

ネタニヤフ首相は、カタールが人質交渉を進めている最中に、カタールの主権下にあるドーハへの攻撃を行ったことへの遺憾と謝罪を述べ、このようなことは二度と起こらないと約束した。

これを受け、カタールのアル・シャニ首相は、ネタニヤフ首相の約束を歓迎し、カタールは地域の安全のために貢献する用意があると述べた。ネタニヤフ首相も同じだと述べた。

この謝罪は、ガザ停戦案をいよいよ公にする前に、トランプ大統領が企画したものだった。カタールからの協力を得るために、イスラエルとのしこりを取り除いておきたかったのだろう。

ネタニヤフ首相、トランプ大統領に電話をさせられた感じも拭えず、やはり、アメリカに頭が上がらないという感じである。

しかし国内からは反発が出た。カタールは、ハマスへ現金を送るなど、これまでハマスの支援者だったことから、右派のベン・グヴィル市は、その国への攻撃は、“道徳的”だったと反論していた。

www.timesofisrael.com/netanyahu-apologizes-to-qatar-for-strike-on-hamas-leaders-in-call-with-trump/

ものごとは、どちらからどう見るかで、見え方が違ってくる。外交、特に中東での外交にはその傾向はかなり強いと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。