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ニューヨークの豪雨・大洪水
9月29日(金)は、仮庵の祭りの初日であったが、ニューヨーク州マンハッタンやブルックリンでは、28日夜から、100年に1度となる記録的な豪雨に見舞われた。CNNによると、雨量は、ケネディ国際空港地点で203ミリに迫り、ブルックリンでは、たった3時間で、1ヶ月分の雨量であったとのこと。
これに排水システムが追いつかなかったため、あちこちで排水管から水が逆流して溢れ出し、家や道路が冠水。地下鉄も運行できない状況となった。バスなどすべての交通機関が麻痺した他、航空便も1000便がキャンセルとなった。
ニューヨーク州のホークル知事が、緊急事態宣言を出して、家から出ないようにと通告したが、学生はすでに学校へ、人々も出勤していた後だった。帰りの足がなくなり、町は大混乱となった。また家にいても、水道管やトイレなどからの逆流で、避難を余儀なくされた人もいた。
www.cnn.co.jp/usa/35209715.html
ニューヨークでは、2年前にハリケーン・アイダが襲来した時に、大洪水が発生し、半地下に住んでいた12人が死亡する大惨事になっていた。今回は死傷者は出ていないが、アメリカのことなので、これから、物損に対する補償や裁判など、膨大なになることを思えば、気が遠くなりそうである。ホームレスがまた増えるかもしれない。
今年は日本でも線状降水帯が多発し、こうした光景は珍しいことではなくなっている。東京が冠水することも十分考えられるとのこと。なお、今年は7月に中国で豪雨が頻発し、142人が死亡・行方不明になっていた。被災者は703万人。2300万戸が倒壊し、経済損失は、約3100億円だったとのこと。(日経新聞)地球温暖化のツケは確実に始まっているようである。
www.nikkei.com/article/DGXZQOGM083OP0Y3A800C2000000/
破壊された仮庵の祭り初日:がっかりにそれぞれの対応
マンハッタンやブルックリンといえば、ユダヤ人が多く住んでいる地域である。29日は、ちょうど仮庵の祭り初日であった。これほどの大雨では、屋外のスッカで食事をすることは不可能である。
多くはスッカでの食事は諦め、屋内で初日を祝っていた。また、シナゴーグからは、この日にシナゴーグに来なくても良いとの連絡が出されていた。
しかし、中には、たとえ豪雨でも仮庵の行事は休まないと、豪雨仕立てのスッカを屋外に建てて、最初のワインとパンの祝福だけを行い、あとは屋内で祝ったグループもあった。
しかし、スッカが、洪水で流されてしまい、「仮庵ではなく、方舟を作っておくべきだった。」と言っている人もいたとのこと。
コロナ後で久しぶりに家族親族が多く集まる時だっただけに残念すぎ、神に対し、「なんで?」という思いもあったようである。
ユダヤ教の古い聖書解説のミシナには、仮庵を設置した後に、召使いが主人にワインを出したところ、主人がそのワインを召使いの顔に投げつけたようなものだと書いてあるという。ここから、仮庵の初日に雨が降るということは、神が今、ユダヤ人たちをよく思っていないことを表しているという解釈が、SNSでも出回っていた。
これに対し、リベラル系のラビは、SNSに「この数週間、できる限りの善行をしてきたではないか。(悔い改めのスリホット?)まだ足りないというのか?何をしたらいいというのか?」と書き込んだり、「まあただの雨だったのかもしれないが、だとしても、がっかりは止まらない」などとの書き込みもあった。
一方で、「雨が降っても、仮庵は祝える。空の下に仮庵はまだある。」とポジティブな声もあった。理解不能、さまざまながっかりと付き合いながら、この神と生きているというのが、ユダヤ人である。まあそれは、ユダヤ人だけの話ではないが。。
www.timesofisrael.com/flash-floods-put-a-dangerous-damper-on-the-first-night-of-sukkot-in-new-york/
結局のところ、この地球は、最終的には、人間の所有物ではなかったということを学ぶべきだろう。