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ドイツ極右テロ:9人死亡
19日午後10時、ドイツのハナウ(フランクフルトから20キロ東)の中東・アジア系の人々が集まるシシャ・バーで、極右思想を持つトビアス・R(43)が、銃を乱射。さらにそこから2.5キロ離れた町のカフェでも銃を乱射した。この一連のテロで、9人が死亡した。
捜査を続けていた警察が20日、トビアスの家に突入すると、トビアスとその母親(72)が死亡しており、犯行に使われた銃がその横に置かれていた。おそらく、母親を殺害したのち、自分も自害したか、その反対に母親が息子を殺害して、自分が自害したとみられる。
犠牲者は、ほとんどが21から44歳の移民で、うち5人はトルコ人だった。その他は、ブルガリア人、ボスニア人であった。警察は、犠牲者にトルコ人が多いことから、クルド人勢力との関係も捜査したが、トビアスは、犯行に及ぶ前に声明を録画しており、クルド人に限らず、ユダヤ人や、アラブ人など自分と違う人種を憎む極右思想の排他主義思想を持っていたことが明らかとなった。
これまでは、テロといえば、イスラム教徒ばかりが注目されていたが、今後、ドイツ人によるネオナチ、極右思想を持つ者のテロにも警戒しなければならないと指摘されている。これは、シナゴーグが襲撃される事件が相次ぐアメリカも同様である。
メルケル首相は、「ドイツには、毒のように根強い極右思想がある。」と、怒りと深い悲しみを込めて非難した。
事件後の夜、フランクフルトやベルリンなど、ドイツ各地では、数千人が、「(ナチスは)2度と起こらない」などと書いたカードを掲げて犠牲者を悼んで集まった。
www.timesofisrael.com/in-vigils-across-germany-after-shooting-calls-of-never-again-and-nazis-out/
影響力高めるドイツの極右勢力
Times of Israelによると、ドイツでは2018年、実際的、またことばによるユダヤ人攻撃が、1日平均5件はあったとされる。中東からの移民が増えたことでメルケル首相の人気が落ちて、次期首相は、極右政党AfDになる可能性もあると言われている。
恐ろしいことに、こうした極右組織は、特に今年に入ってから、軍や政治家、警察ともつながりがあることが明らかになりつつある。極右との関係で調べらられた軍人は500人に上るが、そのうち360人は今年に入ってから調べを受けたとのこと。
www.timesofisrael.com/switching-gears-german-authorities-focus-on-alarmingly-organized-far-right/
ドイツに在住する知り合いによると、特にホロコーストへの謝罪として、政府が、税金等で、ユダヤ人への優遇策が今も続けられており、それが逆に反ユダヤ主義につながっているかもしれないとのことであった。
ロンドンでも反ユダヤ暴力激増
ブレキシットでEUを離脱したイギリス。今後、これがどう社会に影響を及ぼしていくのか、注目されるところである。そのイギリスでも、ヘイトクライムが激増している。ユダヤ人に対する暴力は、他の民族への暴力より4倍程度多いとのことである。
反ユダヤ主義に反対するグループの調べによると、イギリス全体で、1日平均3件以上の反ユダヤ主義行為が報告されている。