トルコとシリアは戦争突入寸前-緊張続く国境周辺 2012.10.7

先週、シリアの砲弾でトルコ市民5人が死亡。トルコはすぐに報復攻撃し、シリア兵数名が死亡したと見られる。

シリア政府は、トルコに謝罪したが、その後も、シリアからは流れ弾などがトルコ領内に着弾している。トルコはそのたびに報復。今日で4日目となった。国境付近のトルコ市民はシリアからの砲弾をさけて避難中である。

トルコのエルドアン首相は、「トルコはシリアとの戦争は望まない。」としながらも、トルコは自国民を守る用意があるとも語っている。トルコ議会は、先週の攻撃を受けて、攻撃された場合は、国境を越えてシリアへ武力行使することを承認している。

<誰の責任かはわからない>

トルコはシリアへ反撃しているが、実際のところ、トルコに砲撃したのが、シリア政府軍なのかどうかは明らかではない。トルコは反政府勢力を支援している立場だが、反政府勢力は、様々なグループが集まった烏合の衆に近いものがある。反政府ゲリラ一派からの砲撃、または流れ弾である可能性も否定できない。

国民を守る義務のあるトルコのエルドアン首相は難しい立場に立っているといえる。

<無力な国際社会>

トルコとシリア国境の緊張だが、アメリカは、トルコを砲撃したシリアを非難したが、大統領選挙直前で、対処するどころではない。国連安保理も相変わらずロシアと中国との一致がなく、なんの対処もとれていない状況である。

ただひたすら、シリア内戦が、シリアだけで収まることを願っているというところか。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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