トランプ流交渉を学べ:相互関税90日保留で交渉開始と発表 2025.4.10

White House, in Washington, April 8, 2025. (Evan Vucci/AP)

世界が驚愕したことに、トランプ大統領は、今朝、昨日発効して、あれほど世界を振り回した相互関税について、報復措置をとっていない国については、90日間、一時保留にすると発表した。

これにより、日本を含めそれぞれの国に課されていた相互関税は、とりあえず90日間は、10%になる。

報道によると、追加関税を課された75カ国が、アメリカに交渉を要請しているとのことで、これから国ごとにアメリカとの貿易の均衡化に向けて交渉が行われる。日本はその列の先頭にいるとトランプ大統領が言っている。

一方で、報復関税を課してきた中国へは、敬意の欠如を理由に、125%に増税すると発表した。交渉を求めるならよい結果に、反撃するならより困難な結果になると言っていた通りである。

日経新聞によると、この大きな転換で、世界の景気が後退すると言う厳しい見方は薄らいだためか、株価の回復が見られている。しかし、自律反発の域は出ていないとしており、まだ状況への変動は続くとの予想である。

www.nikkei.com/article/DGXZQOUB100AQ0Q5A410C2000000/

www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09EI40Z00C25A4000000/

このように、トランプ大統領は、ビジネスの世界でのウィンウィンを原則とする交渉を外交の世界でも展開している。この感覚で言えば、アメリカは大国ではあるが、アメリカばかりがマイナスを抱えることは不均衡なのである。この感覚は、外交においても同じである。

それにしても、こんなことは、これまでになかったことで、世界は文字通り、トランプ大統領に振り回されている。

www.timesofisrael.com/trump-pauses-market-roiling-tariffs-for-90-days-but-hits-china-harder/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。