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明日エジプトで、ハマスとイスラエルがガザ停戦案交渉へ
トランプ大統領が、9月29日(月)に提示した20項目のガザ停戦案は、おおむねイスラエルに有利な形であった。
ハマスは、停戦発動から72時間以内に、遺体も含め、人質を全員解放すること、ハマスは武装解除すること、ハマスは戦後ガザ統治に関わらないこと、イスラエル軍の撤退は打段階を追ってであり、ガザに駐留する可能性も残しているなどである。つまり、ハマスは終焉ということである。
ネタニヤフ首相は、パレスチナ国家へ可能性については認めないことを明確にした上で、これを受け入れると発表した。これに、アラブ、イスラム諸国、ヨーロッパも賛同したことから、ボールはハマスに投げられた形となった。
その後、エジプト、カタールとトルコが仲介者として、話を続けている。なかなか答えを出さない中、トランプ大統領は、30日(火)、解答は3-4日以内に出すようにと述べ、出さないならひどいことになると圧力をかけた。
ハマスは、10月3日(金)、停戦から72時間以内に人質全員解放は不可能と反論。修正案を出しつつではあるが、停戦とイスラエル人人質の全員解放とパレスチナ人囚人との交換、それに伴う即時停戦への交渉(間接)に応じると返答した。
以下は、ハマスの返答。トランプ大統領の努力を高く評価すると書いている。
専門家によると、今の所、ハマスが応じるのは、停戦と人質交換という、第一段階のみであり、第二段階以降はその後のことになっていると理解されている。
ハマスが受け入れたのは、まだ部分的だが、トランプ大統領は、人質を全員解放すると言っていることを評価し、イスラエルはこれを認めるべきだとして、ネタニヤフ首相に、ハマスとの交渉を受け入れるよう、圧力をかけていると言われている。いわば、ボールは、イスラエルに戻ってきた形である。
4日(土)、トランプ大統領は、イスラエル軍が撤退するラインを提示した。
( @realDonaldTrump – Truth Social Post )
( Donald J. Trump – Oct 04, 2025, 4:02 PM ET )After negotiations, Israel has agreed to the initial withdrawal line, which we have shown to, and shared with, Hamas. When Hamas confirms, the Ceasefire will be IMMEDIATELY effective, the… pic.twitter.com/QEEDtjF8xo
— Fan Donald J. Trump 🇺🇸 TRUTH POSTS (@TruthTrumpPosts) October 4, 2025
イスラエルとしても、人質解放はもう待てない事項であるし、戦争は終わらせたい。ネタニヤフ首相はこれを受け入れると表明。イスラエルとハマスは、明日6日(月)、カイロで、人質交換に関する交渉に臨むこととなった。
www.jpost.com/israel-news/article-869404
なお、6日は、日没から仮庵の祭りである。ネタニヤフ首相は、うまくいけば、仮庵の最中にも人質が帰国できるかもしれないと語った。
しかし、ことはそう楽観的ではない。元イスラエル国家安全保障会議議長のギオラ・アイランド少将(退役)によると、イスラエルが出している、人質と交換に釈放するパレスチナ人テロリスト250人のリストに、ハマスは合意していないという。
ハマスがより重篤な刑罰に処せられている収監者を要求した場合、イスラエルが、応じない可能性がある。
さらに、ハマスは、人質は、今イスラエルが戦闘を続けている地域にいると主張。イスラエル軍が、戦闘を停止するとともに、その地域から出るよう、要求している。それはトランプ大統領が出している、イスラエル軍の撤退ラインを越えるものである。
さらには、遺体が戻ってきても、それをすべて判別するまでに数週間かかるという問題もある。
アイランド氏は極めてネガティブな見方を提示しながらも、これは一つの見方に過ぎず、以外にも人質が帰ってくる可能性も否定しないと言っていた。
右派議員は反発:テルアビブで毎週のデモは「今しかない」と受け入れを要求
ネタニヤフ首相が、トランプ大統領の案を受け入れていることについて、強硬右派のベン・グヴィル氏や、スモトリッチ氏は反発を表明している。
ベングヴィル氏は、「人質が解放された後、ハマスが存続するようなことになれば、政府を叩き壊す」と激しい反発を表明した。
一方、テルアビブで行われる毎週の人質解放関連、反右派政権デモでは、「今しかない」と、トランプ大統領の案を卯j系れ、人質解放を最優先するよう訴えるデモに数万人が参加していた。
石のひとりごと
ハマスとイスラエルの交渉は、裏が深く、理解するのが難しい。それほど、双方が狡猾に対峙しているということである。
アイランド少将(退役)は、結局のところ、ハマスだけでなく、交渉役のエジプト、カタール、トルコも、平和を望んでいるのではなく、ガザの存在を残すことで、将来的にもイスラエルを“出血させる”ことが目的なのだと言っていた。
実際のところ、国連からして、パレスチナ人を“難民”と呼んでいるということ自体、いずれは元の地、つまりは、今のイスラエルの地に戻るということであり、イスラエルの存在がなくなることが前提になっているとも言っていた。
イスラエルは、イスラエルがいなくなることを望んでいる者との交渉に臨んでいるということである。このことにおいても、主がイスラエルを通して、ご自身を世界に表されることを期待する。
