9月9日(火)、トランプ大統領が、2023年3月にイラクのシーア派に拉致された、ロシア国籍だが、イスラエル国籍も併せ持つ、米プリンストン大学大学院生のエリザベス・ツルコフさん(38)が解放され、現在、バグダッドの米大使館に保護されているとXに投稿した。
エリザベスさんは、プリンストン大学の博士課程学生で、ニューラインズ戦略政策研究所研究員で、人権活動家でもあった。
2023年、親イラン派とイラクのシーア派の研究の必要から、ロシア国籍を使ってイラクに入国していた時に、親イラン・シーア派組織、カタイブ・ヒズボラに拉致されたとみられていた。今回、2年ぶりの解放となり、家族たちは、トランプ大統領に感謝を表明している。
カタイブ・ヒズボラは、IS問題の際にイラン傀儡として立ち上がった親イラン・シーア派組織である。IS問題が落ち着いた後は、イラクの治安部隊に併合されていた。とはいえ、時々独自の動きにも出る状態にあった。
2023年10月7日以降、カタイブ・ヒズボラは、IS対策のため、イラクと協力して、シリア国境周辺に駐留していたアメリカ軍への攻撃を行うようになった。こうした中、イラクとアメリカは、2025年に10年以上続いた、対ISの協力を終えることを決め、2026年9月にそれを完了することになっている。
こうした中、イラク政府は、エリザベスさんの行方を探し、カタイブ・ヒズボラとの交渉を重ねながら、今回の解放に至ったとイラク軍報道官が語っている。
言い換えれば、エリザベスさんは、カタイブ・ヒズボラとの交渉や戦闘で解放されたのではなく、釈放だとの見方もある。
ガザの人質48人の解放が、なかなか進まない中、やはり人質の奪還を諦めてはならないとの励ましになった。イスラエルでトランプ大統領の白星がまた一つ増えた形である。
