24日午後、ヘブロン北部のグッシュ・エチオン交差点で、ナイフによるテロ事件が発生した。テロリストは、ヘブロン南部のパレスチナ人地区に住む教師アムダ・アムル(27)。
現場は、テロが頻発しているスポットである。常駐していた治安部隊が、アムだに向けて撃った銃撃が、アムダだけでなく、誤って予備役兵のエリヤブ・ゲルマンさん(30)も負傷させてしまった。
アムルとエリヤブさんはそれぞれ別の病院に救急搬送されたが、エリヤブさんはまもなく死亡。アムダは、中等度の負傷と伝えられている。エリヤブさんは、2人の男の子の父。妻のリナットさんは妊娠7か月だった。
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ユダヤ教では、死亡から埋葬までがかなり早い。エリヤブさんは、24日の午後に亡くなり、その日の夜には大勢が見守る中、埋葬された。
エリヤブさんの兄は、「主は与え、主はとられる。主の御名に祝福があるように。」と述べたという。それにしても、朝元気だった人が何の前触れもなく、夜には墓に入ってる。いつもながら、残酷だ。
このナイフによるテロは、一気に7人の人生を破壊した。エリヤブさんの命を奪い、その妻とリナットさんと子供たち3人に大事な夫であり父を失わせた。またエリヤブさんを撃ってしまった治安部隊隊員の心。そしてアムダ自身である。ではそれでパレスチナ人社会やイスラム社会に何か益をもたらしたのかといえば、まったく皆無である。
エリヤブさんを撃ってしまった治安部隊隊員の様子は知る由もないが、彼は今後一生それを背負う事になるだろう。この人の心も心配だ。本当に、こんな恐ろしく馬鹿げたことがいつまで続くのか。このテロの波を背後で煽っている暗闇に対し、強い怒りを覚える。
<イランがテロ犯の家族に一人7000ドルの報酬>
イスラエルのメディアによると、レバノンにいるイランの外交官が、イランは、イスラエル人に対するテロを行って撃たれて死亡したパレスチナ人の家族に1人7000ドル(85万円)を、その結果、イスラエル軍に家を破壊された家族には30000ドル(約360万円)を見舞金として支給すると発表した。
このイランの外交官は、「イランは、(イスラエルの)殺人、盗み、追放に直面しているパレスチナ人を見捨てない。殉教者の血がパレスチナの地、地中海からヨルダン川までを解放するのだ。」と言った。
イランがパレスチナ人家族のことなど心配しているはずもなく、イスラエルに対する底知れない憎しみを表現しているようなものである。
これについてイスラエル外務省は、「イランが、イスラエルに対するテロを背後で煽動している一つの証拠だ。大国との合意(経済制裁解除)で、イランは国際テロの中心的な役割を継続できているということだ。」と、イランを非難する声明を発表した。